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定量調査と定性調査の違いとは?各調査方法の特徴をわかりやすく解説

2020年08月27日

商品の使い勝手についてユーザーの声を聞きたい、商品を改善するヒントが欲しいなどを目的とし、マーケティングリサーチ・市場調査を実施することがあります。しかしいざマーケティングリサーチ・市場調査を実施しようとしても、どのような調査方法があるか知らない方や、適切な調査方法が分からない方も多いでしょう。
マーケティングリサーチ・市場調査は大きく分けると、「定量調査」と「定性調査」の2種類に分けられます。今回は、定量調査と定性調査の違いや、各調査方法の特徴についてご紹介します。

定量調査と定性調査の違いとは?まとめ

定性調査と定量調査の違いをまとめると、以下のような表になります。

定量調査と定性調査の比較

定量調査と定性調査それぞれについて、順番に見ていきましょう。

定量調査とは、数的データを収集し分析する調査手法のことで、選択肢式のアンケート調査のことを指します。どの選択肢を何人が選び、そしてそれはどの程度の割合なのか、ということを見ていく調査です。定量調査の代表的な手法として、ネットリサーチ、会場調査、ホームユーステストなどがあります。以下は、ネットリサーチのアンケート画面とその集計結果です。

【ネットリサーチのアンケート画面】
ネットリサーチ(定量)のアンケート画面
ネットリサーチ(定量)のGT集計

上図では、美容に関しての興味関心を聞く質問について、回答者は1~5までの選択肢を選んで回答を行います。この質問を回答した全回答者1100人のうち、選択肢「興味関心がある」を選んだ人は、全体の24.8%に当たる273人という結果になっています。結果を年齢区分など、更に細かい条件(セグメント)で見ていくこともできます。

ネットリサーチ(定量)のクロス

定量調査だからといって、自由記述で回答するような質問を入れてはいけない、というわけではありません。なぜその選択肢を選んだのか、といった理由を簡単に答えてほしい時には、簡単な自由記述の質問を入れることがあります。

定量調査の目的

●実態把握
「実態把握」とは、生活者のライフスタイル、サービス商品の購入状況、イメージ評価などを把握することです。

●仮説検証
「仮説の検証」とは、ある事象について、過去の経験や他の状況分析から「~ではないか?」という予想を確かめることです。
例えば、新商品の売り上げが期待通りではない理由の一つに、「認知率に問題があるのかもしれない。」という仮説があったとします。その仮説があっていれば、必要なマーケティング施策は認知度を最大限に高めることです。この仮説を検証する手段として、生活者に対して新商品の認知度を確認するアンケート調査を行うのです。もし認知率が十分であれば、仮説が間違っていたことが検証され、他の要因が考えられます。

実際にはここまで単純な話はないと思いますが、仮説を検証する目的で活用されます。

定量調査のメリット

定性メリット

まず定量調査のメリットとして、集計結果が数字であるため、客観的な説得力があることが挙げられます。調査結果を数的に分析して需要予測などを行い、成功の可能性を高めていく確認に活用する、ということもできます。
また、ネット上でアンケートを行なうネットリサーチは、調査費用を安く抑えられ、手軽に実施できることも、大きなメリットです。

定量調査のデメリット

定量デメリット

定量調査はインターネット上でのアンケート、紙面上でのアンケート、どちらの場合でも、事前に作成された質問以外聞くことはできません。そのため、その場で質問を重ねていくインタビュー調査とは異なり、意見や意識の深堀りには限界があります。
また、数値で結果がわかるとはいえ、その数値を読み解き、意思決定につなげるノウハウは必須です。
例えば商品の購入意向が60%だった時、それは高いといえるのでしょうか?統計的に考えられる誤差はどのくらいでしょうか?どの程度調査結果をあてにしても良いのでしょうか? 調査結果を読み解き次につなげるためには、結果を正しく読み解かなければなりません。

定量調査の主な調査手法

それぞれ個別の調査手法については、以下をご覧ください。

・ネットリサーチ
ネットリサーチとは、生活者の意見を広く聞くためにインターネット上で行う定量調査のことです。

・会場調査
用意した調査会場に対象者を集め、製品・サービスを試して使用感や、製品の味、パッケージの評価について、その場でアンケートに回答させ、定量的にデータを分析する手法です。CLT(Central Location Test)とも呼ばれます。

・ホームユーステスト
調査対象者の自宅に製品を郵送し、一定期間利用、または試飲・試食してもらい、評価させる調査手法です。一定期間試してもらう必要がある化粧品・食品や、自宅で試してもらう必要がある日用品などの調査に適しています。

・郵送調査
紙のアンケート用紙を指定の住所に郵送し、回答後に送り返してもらう調査手法です。住所さえ分かっていれば実施できるため、対企業への調査や自治体、学校主体の調査として実施される場合が多いです。

定量調査の詳細、各調査手法についてはコチラ

定性調査とは?定性調査の定義と特徴

定性調査とは、「ことば」や「行動」など、「数字」で表せない情報を得る調査です。定量調査との違いは、結果の分析が「数字」なのか「ことば」なのか、ということによります。調査対象者の人数は、定量調査と定性調査の区別には関与しません。
定性調査は、定量調査が得意としている行動や態度変容の事実の背景にあたる、感情や意識といった心理的側面を分析することに適しています。定性調査は質的に分析し「なぜ」という点を重視します。
最も代表的な手法は、対面によるインタビュー調査でしょう。インタビュー調査には、インタビュアーと1人の対象者に行う「デプスインタビュー」、複数人同時にインタビューする「グループインタビュー」があり、それぞれ使いどころが異なります。

定性調査の目的

定性調査を行なう目的には、以下のようなものがあります。

●顧客の理解を深める
定性調査の目的としては、ターゲットのことを深く理解する、ということがあります。なぜ商品サービスを利用しているのか、どのような使い方をしているのか、どのような価値を感じているのか、何が不満なのかなど、ターゲットから得られる情報は机上の空論ではありません。
それらの情報を基に、ターゲットの心理を突いた施策を打つことにつなげます。

●仮説の発見、アイデア発見
問題点や課題解決の糸口を探ったり、アイデアのヒントを得たりするために実施します。 仮説の発見とは、「ターゲットの本当の望みとは○○なのではないか?」「顧客の課題を解決するためには○○すればよいのでは?」というアイデアを発見するということです。

定性調査のメリット

定性調査の大きなメリットは、意識や感情に迫り、生活者を動かす「インサイト」を探ることができるということです。
特に昨今、成熟市場やコト消費といったことが言われるようになり、ただ良い商品を開発しても売れる時代ではなくなりました。今の時代は、1人のターゲットを徹底的に深掘りし、インサイトを捉え、それをもとに新しい価値を生み出し提供することが求められています。
デジタル化によって様々な行動データが収集できるようになったものの、その行動の背景を探れる唯一の方法が、定性調査です。

定性調査のデメリット

定性デメリット

定性調査では、誰に調査を行うか、が非常に重要であり、また難しい点でもあります。いくら定性調査で深掘りできると言っても、そもそも話せる情報を持っていない人からは何も引き出せないからです。そして、対象者が本当に調査したい人の条件に当てはまっているか、調査前に判断しにくいのです。
例えば、「転職を検討している人」という条件の場合、検討度合いは人によってかなり差があります。将来的に転職を考えている人も「検討している」といえますし、転職サイトに登録だけして活動していない人も、「検討している」といえるかもしれません。このように、「転職を検討している人」の中にもかなり程度に差があり、条件が厳密ではないことがわかります。
調査条件を必要十分に設定すること、その条件に当てはまる人をいかに調査にアテンドするかの2点が求められます。

定性調査は「ことば」を分析対象とするため、誰もが同じ解釈をするわけではなく、シロクロ付けにくい調査です。そのため、調査結果を適切に活かせなければ、「調査でいろいろわかったけど、次にはつながらなかった」という残念な調査になりかねません。

定性調査は定量調査と比べ、1人当たりの調査対象者により多くの費用が掛かります。もちろん、必ずしも多人数に調査をする必要はないのですが、一部の生活者の意見に過ぎない、という指摘を社内から受けてしまうことがあるようです。

これらのデメリットにいかに対処すればよいか、ということについては、以下のコラムをご覧ください。

インタビュー調査成功のコツとは?分析から活用方法などの詳細はコチラ


定性調査の主な調査手法

・デプスインタビュー
インタビュアーと対象者、一対一のインタビュー調査です。最も深掘りができる調査手法だといえます。

・グループインタビュー
4~6名を同時にインタビューする調査手法です。

・行動観察調査(訪問観察調査)
インタビューだけでなく、行動観察や自宅訪問などを通して、ことば以外からも情報を得る調査手法です。
対象者がインタビュー調査で話せることは、深さの程度こそあれ、あくまで本人が認識できている範囲にとどまります。行動観察調査は、その人の行動や生活環境に現れる無意識にも迫れる調査手法です。

・オンラインインタビュー
テレビ会議システムを活用して、オンライン上でインタビュー調査を行うことができます。

定性調査の詳細、各調査手法についてはコチラ

定量調査と定性調査、どちらを行うべきか迷ったら? 実施したいときはどうすればよいのか?

定量調査と定性調査のどちらを行うべきか迷ったら、現状抱えている課題やビジネス全体をもう一度見直し、検討してください。たとえ定量調査・ネットリサーチをしたいという問合せをいただいていても、課題や現状を伺った結果、定性調査・インタビュー調査をした方が絶対に良い、ということは多々あり得ます。
ただのインタビュー調査ではなく、行動観察とインタビューを行う行動観察調査が最適だと思われるような場合であっても、「行動観察調査がしたい」とご相談いただくことは、まずありません。また、定量・定性に限らず市場調査(マーケティングリサーチ)が最適な方法ではないこともあり得ます。

もし迷ってしまったら、一度マーケティング会社に問い合わせてみると良いかと思います。その時は是非、最初から手法ありきで考えるのではなく、まずは今抱えている課題と、どのように結果を活用したいか、目的を伝えてください。

おわりに

マーケティングリサーチ・市場調査を行う場合は、現状の課題に対して最適な手法は何か、という視点で、定量調査か定性調査か判断しすることが重要です。
また、どのような調査方法を選んだ場合でも、調査の目的と設問・質問の内容がマッチしていなければ有効な回答を得ることはできません。設問・質問の作成にも十分な検討時間を取りましょう。

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