KNOWLEDGEナレッジ

マーケティング基礎知識から実践的ノウハウまで理解できる情報を発信

リサーチ
コラム
トップマーケター
インタビュー
用語集 ホワイト
ペーパー
タグ:
商品開発 インサイト把握 リサーチのコツ

消費者インサイトとは?インサイトを探る方法を紹介

2021年03月01日

商品・サービスの販売を拡大していくためには、消費者インサイトを的確に捉えてマーケティング活動を展開していくことが重要です。消費者インサイトはどのようにして捉えるものなのでしょうか。この記事では消費者インサイトとは何か、また潜在ニーズとの違いや活用事例、そして消費者インサイトの把握に適したリサーチ手法「MROC」について解説します。

消費者インサイトとは

はじめに消費者インサイトの意味からお伝えします。消費者インサイトとは、消費者自身が無意識のうちに抱いている本音、つまり潜在ニーズに近い意味を持ちます。インサイト(insight)という言葉には「洞察」、要するに「物事の本質を見抜く」意味があります。洞察するのは消費者ではなく、マーケティング活動を行う側です。従って消費者インサイトとは、「マーケティング活動を行う企業側が、消費者を調査・分析することによって発見する、消費者が自覚していない購買行動に至る本質的要因」と定義できます。

そもそも人間の行動の大部分は「無意識」に行われていると、最新のマーケティング、行動経済学、心理学などの領域では言われています。そのため、消費者が商品を購入する、利用するという背景には、本人も明確に認識していない要因が多々関わっています。
インサイトとは、まさにこの消費者を購入、利用に駆り立てた「無意識領域の要因」にあたります。無意識の欲求や不平不満、趣味嗜好、性格、過去の経験なども含めて、弊社ではインサイトを定義しています。

今の時代は、消費者の顕在化したニーズを捉えただけの商品を開発しても売れない時代です。顕在化したニーズを解決する商品はすでに市場に存在するからです。だからこそ、まだ消費者本人も認識していないインサイトを捉えた、新しい価値を生み出すイノベーションが求めれています。
まだ世の中にないが、その商品・サービスを見たとき「ああ、これこそが欲しいものだ」と言わせるものを開発する、そのヒントがインサイトです。

インサイトと潜在ニーズの違いとは

では、消費者インサイトと潜在ニーズにはどのような違いがあるのでしょうか。

インサイトとは、隠れたニーズ・潜在ニーズよりももっと奥にあるもので、ニーズにまでなっていないもの、ニーズの基となるパーツのようなものだと言えます。
あるいは企業側に主体性があるかどうか、またマーケティング活動への有用性に関連しているかどうかで説明できるかもしれません。

たとえば体型に悩みのある消費者が「痩せたい」と周囲に話している場合、その理由としては、「他者から美しく見られたい」という潜在ニーズが存在するのではないかと想定されます。潜在ニーズとは、消費者自身が無意識に持っているニーズ(要求・需要)を指し、既に欲求を持っている状態です。

これに対しインサイトとは、消費者にまだ欲求そのものがない状態であって、企業側の調査・分析によって仮説立てする、「他者から美しく見られたい」という潜在ニーズの更に深いところにある、無意識下の欲求や不満、等を指します。

インサイトと潜在ニーズの違い

消費者インサイトを理解するための事例

前述の「痩せたい」消費者について、消費者インサイトを捉えることの意味を、体脂肪を燃焼するサプリメントの販売促進をしたい場合で具体的に考えてみましょう。

「痩せたい」と自覚し周囲に情報発信し、甘いものを食べることを控えたり、ジムに通ったりしている消費者の気持ちは、顕在的なニーズとして現れているものです。

この「痩せたい」気持ちの奥に存在しているものの、本人が自覚していない「他者から美しく見られたい」という願望は、潜在ニーズといえます。この段階では体脂肪を燃費するサプリメントを購入したいという意思も発想もありません。

企業側が「痩せたい」消費者の気持ちを調査・分析すること等によって、「他者から美しく見られたい隠れた願望を刺激することで、体脂肪を燃費するサプリメント商品の販売に繋がるはずだ」と洞察できていれば、これは消費者インサイトと呼べます。マーケティング活動としては消費者インサイトを読み解いて、他者から美しく見られる素敵な自分をイメージできる商品パッケージや広告への展開が検討できます。マーケティング活動の結果として狙い通り販売が伸びれば、消費者インサイトを捉えられた状態と呼べるでしょう。

このように、消費者インサイトを捉えるということは、企業側が主体となって消費者の潜在ニーズを探り、購買意欲を掻き立てる消費者心理を刺激する「何か」を見つけることなのです。

消費者インサイトを探る3つのリサーチ手法

消費者インサイトを捉える重要性について解説してきましたが、消費者インサイトを理解するための方法としては、どのようなものが挙げられるでしょうか。

まず、消費者インサイトを探る場合の前提として、消費者のインサイトは消費者にきいても、その人の言葉からは出てこない、ということです。繰り返しになりますが、消費者の行動はその大部分が無意識であり、本人も自身の行動に根拠付けや理由付けができているものでは、本来ありません。また、まだない商品やサービスについて、「何が欲しいか?」と聞いても、そんなことは消費者自身も知りません。自分自身の身に置き換えてみれば、何が欲しいか?と何もない状態で聴かれたときの難しさがわかるでしょう。
つまり、その人が認識して言葉として表現できることは、インサイトとまでは言えない、ということです。顕在化したニーズ、もしくは潜在的なニーズ、というのが限界で、その人の行動を購入に促した琴線ともいえるものではありません。
とはいえ、場合によっては既存商品の改善など、すでに存在するモノに対しての消費者の「不」の解消を目的に、顕在化したニーズが潜在的なニーズが探れれば十分、という場合もあるでしょう。ここではそれらも踏まえて、3つの手法をご紹介します。

消費者インサイトを探るリサーチ手法「インタビュー調査」

最もポピュラーな手法は、インタビュー調査です。インタビュー調査はその名の通り、消費者へのインタビューを通して、その人自身のこと、普段の生活、製品への評価など、その時知りたい内容に対しての情報を取得する調査のことです。

インタビュー調査には大きく分けて2種類あります。

■デプスインタビュー
1対1の会話形式で、 個人の深層心理(インサイト) を探っていく調査手法

デプスインタビューとは?調査の特徴、メリット・デメリット~本音を引き出すコツ はコチラ


■グループインタビュー
2人以上の調査参加者(通常5~8人)を1室に集め、座談会形式でインタビューを行う調査手法

フォーカスグループインタビュー(FGI)とは?メリット・デメリットと事例紹介はコチラ


また対面ではなくインターネットを介してインタビューをする「オンラインインタビュー」という調査もあります。

オンラインインタビューの詳細はこちら

消費者インサイトを探るリサーチ手法「行動観察調査」

インサイトを探るための手法として、「行動観察調査」という手法があります。結論、この行動観察調査こそが、インサイトを探るために最適な調査だと言えます。新商品の開発であれば、ターゲットの消費者の普段の生活・行動を観察する、店頭であれば実際に店舗で買い物をしているその行動を観察する、デジタルであればUIUXテストのように、実際に操作している行動を観察する、ということです。
特に、「0から1」を生み出す時の調査の場合、有効です。
顧客の思考や行動の理由を想像しながら観察することで、本人が意識せず言語化もされていない無意識を見つけることができます。

行動観察調査については、詳しくは是非以下のコラムをご覧ください。特に消費者の生活環境の中で観察調査を行う場合について、記載しています。

行動観察調査とは?事例紹介|メリットや失敗しないために大切なこと

消費者インサイトを探るリサーチ手法「MROC」

消費者インサイトを探るリサーチ手法

次に、消費者インサイトを探るための手法として用いられるMROC(エムロック)についてお伝えしたいと思います。

Marketing Research Online Communityの頭文字からなるMROCとは、調査参加者が集う専用コミュニティをオンライン上に作り、参加者同士の交流や意見交換から消費者のインサイトを探るリサーチ手法です。

MROCは従来のグループインタビューのように「調査が行われる時だけ」集うのではなく、1~2カ月など長期に渡る交流により生まれる情報を収集できる仕組みです。ディスカッションや日記、アンケートなど異なる手法を組み合わせられるなどの特徴を持ち、ソーシャルメディアの普及が著しい近年、時代のニーズにマッチしたデータ収集方法として注目を集めています。

MROCを活用するメリット

次に、MROCを活用するメリットをお伝えします。

■一定期間をかけること収集できる良質な情報
MROCのメリットとしてまず挙げられるのが、双方向のコミュニケーションと実施期間の長さが生み出す情報の深さです。調査の参加者同士で意見や情報を交換するリサーチ方法はこれまでもありましたが、グループインタビューなど数時間で行われるものがほとんどでした。限られた時間の中では議論の発展にも限界がある上、お互いの人となりを理解してのやり取りは望めませんでした。その点1~2カ月など長期に渡り継続するMROCでは、時間の制約による問題が解決され、より深い情報や意見の交換が行われることが期待できます。

加えて調査期間の長さは、その場限りの調査では得られなかった「対象製品を使い続けたことによる意見の変化」の収集というメリットも生み出します。コミュニティでのやり取りやオンライン上の日記などを時系列に沿って見ることで、どのような流れでその意見に辿りついたかという背景や消費者の心理の移り変わりも知ることができます。

■オンラインコミュニティならではの情報発信の手軽さ

スマートフォンでも利用できるオンラインのコミュニティは、思い立ったらすぐ、手軽に発言ができる点も魅力です。その時感じた新鮮な気持ちを投稿できる環境は、消費者の本音をよりリアルに引き出すことができます。

また文字だけでなく写真や動画をアップすることで、発言者が知らせたい状態を他の参加者や調査の実施側が把握しやすい点もメリットです。

■調査対象者選びなど調査実施側の自由度の高さ

MROCは居住地や調査への参加可能時間などに囚われず対象を選定できるため、商品への興味や予備知識などを重視した調査の対象者選びが可能になる点も長所のひとつです。また、対象製品の開発や企画担当者など調査の実施側もコミュニティに参加しやすく、意見や話題を提供することで知りたい情報をより的確に聞き出すことができる点も、MROCの大きな長所と言えます。

消費者インサイトの把握に有益なMROCの活用法

以上の通り、MROCは消費者インサイトを探るのに有益な手段となります。最後に、MROCが一般的にどのような目的で実施されるのか、活用事例をご紹介します。

■新商品開発のアイディアのヒントを得る
潜在顧客となるターゲット層を集め、既存製品についての意見や要望をやり取りしてもらうことで、新商品のアイデアや開発のヒントを得るといった使い方はMROCの活用事例として多く見られるケースです。商品の開発者も議論に参加しやすいMROCの特性を活かすことで、意見交換の活発化を促す、話題の方向性を定めるといったことも容易です。

■長期間利用される商品の使用感を把握する
長期間にわたって使用されることが前提の商品や、使い続けることで印象や評価に変化が生じやすい商品に関する意見の収集も、MROCの得意とする分野です。例えば化粧水への評価が知りたい場合、香りや見た目、一度の使用についての感想を得るだけでは十分とは言えません。その点MROCでは、1~2カ月と長期に渡り使用して感じた効果、塗り方や容器の使い勝手の善し悪しなどの評価が得られる上、そこに至るまでの消費者の意見や感じ方の変化も把握できます。

■利用環境が日々変わる商品の使用感を把握する
また食器洗剤のように、使用環境が日々変わる製品についての調査でも同様に効果を発揮します。泡切れの良さに魅力を感じていたが、油汚れが多いメニューの日は洗浄力に不満を感じたなど、商品を使い続けたからこそ生まれる評価の変化を的確に得ることができます。

まとめ

以上述べてきた通り、マーケティング活動において消費者インサイトを捉えることは非常に重要です。ただ、自社が求めているのが、消費者インサイトなのか、それとも「不」の解消にあたるニーズやウォンツなのかは検討の余地があるかと思います。

ネオマーケティングでは、インタビュー調査は行動観察調査もちろん、消費者インサイトを捉える目的で行う調査のフレームワークを提供しており、実際に新商品や新しいアイデアの開発をご支援しています。インサイトの捉え方に課題を感じている方はご相談ください。

 消費者インサイト起点で新しい価値を生み出す方法とは?資料をダウンロードはコチラ




< リサーチコラム一覧に戻る

関連するリサーチコラム

タグ一覧

マーケティングリサーチならネオマーケティングにお任せください!

課題解決・目的達成のために、お客様が何を求めているのかということを常に考え一歩先のご提案をいたします。

リサーチが初めての方へリサーチが初めての方へ

リサーチが初めての方はこちらをご覧ください。
マーケティングリサーチとは何か。
どのように進めていくのか。わかりやすく解説いたします。

マーケティングリサーチとは→

ネオマーケティングの特徴

ネオマーケティングはお客様の抱える課題や調査目的、その背景を充分にヒアリングした上で、
課題解決・目的達成のために、お客様が何を求めているのかということを
常に考え一歩先のご提案をいたします。

ネオの特徴はこちら →