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スクリーニング調査の意味とは?失敗しないための注意点、質問事例ご紹介

2020年02月14日

一般消費者へのアンケート調査において、実施される機会の多いスクリーニング調査。適切にスクリーニング調査を実施するためには工夫が必要で、いくつか注意点があります。この記事ではスクリーニング調査とは何か、また実施する際の注意点や設問の作り方について、事例を交えて解説していきます。

スクリーニング調査とは

スクリーニング調査とは、大勢の母集団の中から特定の条件に当てはまる対象者を絞り込むために実施する調査のことをいいます。「screening」には「ふるいにかけること」「選別」といった意味があり、スクリーニング調査は本調査に進むべきモニターを抽出することを目的として本調査の前に行われ、事前調査またはプレ調査とも呼ばれます。

スクリーニング調査が行われる場面をひとつご紹介しましょう。たとえば衣料用洗剤のメーカーA社が、競合他社B社の洗剤を普段購入しているユーザーの消費行動を探るために、消費者モニターを募集したいとします。アンケート調査のウェブサイトなどで募集をかける場合に、スクリーニング調査が行われます。洗濯の頻度や洗濯物の量を測るため、普段の生活スタイルや家族構成などを事前に確認する必要がありますが、スクリーニング調査を用いると、中でもB社製品を利用しているユーザーを特定した上で、必要な質問に進ませることができるのです。


スクリーニング調査を行うメリットは、前述の例の通り、本調査に適したモニターを狙って容易に集めることができることと、それ故に調査コストを削減できることにあります。調査にご協力いただいた方には謝礼をお支払いすることになりますが、謝礼の金額は通常、回答にかかった時間や回答いただいた設問数など、労力に応じて設定します。そのため本調査の非対象者にはスクリーニング調査までの謝礼を支払い、本調査まで回答いただいた方にだけ、スクリーニング調査と本調査とを合わせた謝礼を支払うことになります。スクリーニング調査を実施することで、本調査を全員にご協力いただく必要がなくなり、その分調査コストを削減することができるというわけです。


スクリーニング調査の注意点

調査する側の企業にとってメリットの多いスクリーニング調査ですが、実施にあたって注意すべき点がいくつか存在します。

■抽出に使わない設問は控える
一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)では、インターネットリサーチの品質に一定の基準を設けるべく、「インターネット調査品質ガイドライン」が策定されています。本ガイドラインでは、スクリーニング調査において抽出に使わない質問を控えるよう定められています。




スクリーニング調査は本調査への対象者を選定する目的で行われるので、必然的に調査協力者が回答するアンケートの多くをスクリーニング調査が占めることになります。スクリーニング調査の質問数が多いと、回答に負荷がかかる一方で謝礼が安く、労力に見合わないといった事態が発生します。すると調査協力者の非アクティブ化・退会の要因につながりかねません。従って、抽出に使用しない質問は原則として本調査で尋ねる必要があります。

【参考】『JMRAインターネット調査品質委員会:インターネット調査品質ガイドライン2017年11月』

■本調査の対象者を確実に抽出できる設問にする
スクリーニング調査では、本調査の対象となる条件を明確に定義付ける必要があります。たとえば、本調査で「資産運用をしたいと真剣に考えている人」のみを対象にしたい場合に、スクリーニング調査として「資産運用に興味はありますか?」という質問を投げかけるとします。すると、資産運用に多少興味を持っている程度の人も、資産運用をしてはいないものの熱心に情報収集している人も、既に資産運用をしている人も「はい」で答えることになるでしょう。

このようなクローズドクエスチョンでは、興味の度合いの差があっても回答結果は同一となり、本調査へ進めるべき人が不明確になります。本調査の目的を押さえた上で、可能な限り条件を詳細に定義して質問を設計することが大切です。

■十分なサンプル数を確保する
スクリーニング調査への協力を顧客へ依頼し、実際に回答が得られる割合が一定あり(回答率)、さらにそこから本調査の対象となる顧客の割合(出現率)は当然ながら少なくなっていきます。調査への回答率は依頼時のメールの開封率や謝礼の金額により、また本調査対象者の出現率は設問の粒度によりそれぞれ変動するため、何%の顧客が本調査対象となるかどうかは一概に言えませんが、本調査の条件を厳しくすればするほどサンプル数の確保は難しくなります。前述した通り条件は明確にする必要がある一方で、十分な母数が確保できるかどうかのバランスを取ることが求められます。

スクリーニング調査での質問事例

スクリーニング調査の注意点についてみてきましたが、設問の設計にはコツがいります。設計時の参考にしていただくために、最後にスクリーニング調査の質問事例をご紹介します。

たとえば、「直近3ヶ月でB社の衣料用洗剤をドラッグストアで購入している人」をスクリーニングにかけたいとします。しかし、単刀直入に「直近3ヶ月でB社の衣料用洗剤をドラッグストアで購入しましたか?」と尋ねた場合、この調査がB社の洗剤を直近ドラッグストアで購入している人に対して実施したい調査なのではないか、ということが回答者側に推察されてしまう可能性があります。回答にバイアスがかかると適切なスクリーニングができません。

このような場合には、まず「あなたが直近3ヶ月で購入したものを、以下の中からご選択ください」と尋ねます。選択肢には洗剤の他、生活必需品といえる消耗品を列挙し、複数選択できるようにしておきましょう。

次に、「購入された物の場所をそれぞれご選択ください」と質問し、チェックした品物ごとに「ドラッグストア」「コンビニ」「インターネット」など、どこで購入したのかを聞いていきます。

最後に、ドラッグストアで洗剤を購入した方に対して、「あなたが普段利用している洗剤の種類をお答えください」という質問をし、B社の製品を選択肢の中に混ぜ、複数選択できるようにしましょう。

このように段階を経て自然な形で回答へ導くことで、適切にスクリーニングを行うことができます。

まとめ

スクリーニング調査は、調査する企業側にとって知りたい情報を効率良く得る有益な手段となる一方で、回答者側への配慮が疎かになりがちな一面があります。回答する側へ負荷をかけていないかどうかという側面からも、設問を確認することが必要です。また本調査で精度の高いデータを得るためには、設問から本調査の対象が類推されないかどうか、設問にバイアスがかかっていないかをチェックするようにしましょう。

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