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マーケティング会社が教える、成功するアンケート調査のコツと事例

2020年07月29日

アンケート調査は企業のマーケティング活動において、自社商品・サービスのこと、顧客のことを知るための手段として、とても身近で手軽な手段です。しかし実施に至っても、ただアンケートのデータを眺めるだけで終わってしまい、その結果を活用することまで至らないケースがあります。そこで今回は、成功するアンケート調査というのはどういうものか、そして実施する際はどのような点に気を付ければいいか、わかりやすく解説します。
※ここでのアンケート調査は、便宜的にマーケティングリサーチや市場調査と近い意味で記載しているため、インタビュー調査なども含んでいます。

アンケート調査の主な目的と役割

アンケート調査の役割としては大きく以下の3つです。

「顧客の実態・ニーズを把握すること」
「顧客起点の商品開発を行うことができること」
「リスクを軽減させること」

社内の説得のためのエビデンスが欲しいという場合も、主張の根拠をわかりやすく示す客観的なデータとして活用することができます。

アンケート調査の役割について、詳しくはコチラをご覧ください。

5分でわかるマーケティングリサーチの役割と流れ


アンケート調査を行う目的は様々かと思います。マーケティングプロセス上では以下のように考えることができます。

ステップ


■プロセス1:「市場を把握する」

自社商品やブランド、消費者についての情報を集める「市場を把握する」段階において、以下のような目的でアンケート調査を行います。これらを把握するためのアンケート調査結果が、今後のマーケティング施策や商品開発を進めるうえで、基礎情報となります。

【課題目的の例】
消費者のライフスタイルを把握し、適切なターゲットを把握したい
⇒ライフスタイル調査、STP調査

ターゲットとなる消費者が何を求めているのか、ニーズを把握したい
⇒ニーズ把握調査

なぜ自社商品を購入してくれているのか理由を知りたい
⇒購買動機調査

ブランドや商品にどのようなイメージが持たれているのか把握したい
⇒ブランドイメージ調査、競合調査


■プロセス2:「製品コンセプトを固める」

プロセス1で得られた情報を基に製品コンセプトを固める段階において、今のコンセプトはターゲットに魅力的な訴求ができているか確認するためにアンケート調査を行います。調査結果をチェック機能として、最適なコンセプト案を探るPDCAを回していきます。定性調査と定量調査を組み合わせて対応することも有効です。

【課題目的の例】
複数あるコンセプト案を絞り込みたい、改善点を知りたい
 ⇒コンセプト評価調査

コンセプトのアイデアを検討したい
 ⇒コンセプト開発調査


■プロセス3:「顧客に届ける」

製品を市場に展開するため、4P「Product(製品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(販売促進)」に関する調査を行います。試作品を評価させて改善を図るための調査、適切な価格を決めるための調査、店頭での販売を促すための調査、広告に関する調査など、様々な目的でアンケート調査が活用されます。

【課題目的の例】
ターゲットに受け入れられる適切な価格を設定したい
⇒価格調査

コンセプトを的確に伝えられる広告案のクリエイティブを選びたい
⇒クリエイティブ調査


■プロセス4:「検証し、改善する」

製品を市場に出した後、実際の消費者はどのように評価しているのか調査します。売り上げが芳しくない場合には原因を想定するため、商品やブランドイメージへの評価、使用感の評価、パッケージデザインなどを調査し、リニューアルにつなげていきます。

【課題目的の例】
上市した商品の認知度を知りたい
⇒認知度調査

商品の満足度とイメージを把握したい
⇒顧客満足度調査

広告の効果検証を行いたい
⇒広告効果測定調査

アンケート調査によるPDCAの回し方の詳細はコチラ

主なアンケート調査手法

アンケート調査の手法は、まず定量調査と定性調査に分けることができます。定量調査とは、調査結果を数値(人数や割合%)で分析する調査で、選択肢で回答するアンケート調査が該当します。定性調査は数値データではなく、インタビュー調査などでヒアリングした内容(質的データ)を分析対象とします。行動や意識の背景にある、その人の感情面に着目していきます。

一般的に定性調査は仮説立案のため、定量調査は仮説検証のために実施します。少数へのインタビュー調査で得た“深い”情報から仮説を立て、その仮説を多人数にアンケート調査することで仮説を検証する、という活用が一般的な流れです。

例えば、シニア女性向けの新しい化粧水を開発するために、ターゲットのシニア女性に現在の化粧品利用理由や化粧水に求めることなどについて、インタビュー調査を実施したとします。このインタビュー調査によって、シニア女性に響く新商品のコンセプトが○○なのではないか?と仮説立てできた場合、この少数へのインタビュー調査で導いた仮説が市場に当てはまるかどうか、量的に検証するために定量調査を行うのです。

定量調査と定性調査の代表的な手法として、以下のようなものがあります。


●定量調査

・ネットリサーチ
・会場調査
・ホームユーステスト

●定性調査

・デプスインタビュー
・グループインタビュー
・行動観察調査
・オンラインインタビュー

アンケート調査の方法について、詳しくはコチラをご覧ください。
市場調査の方法とは?目的設定からレポートまでの流れをご紹介!

アンケート調査手法の選び方

今見てきたようにアンケート調査には様々な手法がありますが、手法を選ぶ時のポイントとは何でしょうか?
手法を選択するためには、調査の目的を整理していることが大前提です。リサーチの目的、調査対象となる商品サービスが何かによって、とるべき手法が決まります。

調査手法の選び方1

調査手法の選び方2

マーケティングプロセスにおいてどのフェーズで行う調査なのかということも調査手法を選ぶときの参考になります。

調査手法の選び方3

手法の選び方について、詳しくはコチラをご覧ください。
『課題と目的別:マーケティングリサーチ手法の選び方』



アンケート調査の料金相場

アンケート調査の費用は、各社ごと、手法ごと、サービス対応範囲ごとによって様々です。
ここでは代表的な調査手法について、概算費用をご紹介します。対象者となる条件、報告書の有無などにより実際の金額には幅があるため、ご注意ください。

●ネットリサーチ

1000サンプル 15問 :約35万(税抜)

●デプスインタビュー

5名への1時間のインタビュー:約50万(税抜)

●グループインタビュー

5名×4グループ 計20名 1時間のインタビュー:約350万(税抜)

●行動観察調査

5名:約100万(税抜)

●ホームユーステスト

100名への化粧品のホームユーステスト:約70万(税抜)

その他、個別の条件について金額感を知りたい場合は、お問合せください。

アンケート調査の基本的な流れ

アンケート調査の基本的な進め方は、以下の図で表すことができます。
基本流れ
マーケティング課題の整理⇒調査目的の整理⇒調査の企画設計⇒調査実施⇒集計・分析⇒マーケティング施策への活用

この流れの中で、アンケート調査の成功のコツとなるのは、最初のマーケティング課題の整理~調査の企画設計の部分です。ここで検討した内容を元に調査内容の具体を詰めていくため、非常に重要な工程です。8割がた、ここで調査の成否が決まるといっても過言ではありません。
以下のことを整理すると良いかと思います。

何を明らかにするための調査なのか/何を目的とした調査なのか
どのような仮説を検証したいのか/どのような仮説を得たいのか
仮説を検証するためにどのようなデータが必要なのか/どのような問いが必要なのか
得た結果をどのようにマーケティング施策に活用したいのか

アンケート調査の設計の方法と使い方

アンケート調査の設計については、以下の6つの項目に着目して検討していくことをお勧めします。

●調査背景と目的

どのようなマーケティング課題があってアンケート調査を行おうと思ったのか、達成したい目的は何か、どのような結果を導きたいのかを整理することが最も重要です。

●調査手法

調査目的に応じて、定量調査か定性調査か、更に具体的な調査手法を選択します。

●調査対象の条件

調査を行う対象の条件を決めます。条件とは、性別・年代・居住地・婚姻状況などのデモグラフィック情報から、商品の利用頻度や商品へのロイヤリティなどの情報まで、「○○な人に調査をしたい」という○○にあたる部分です。

●調査項目

調査目的に照らし合わせて、聴取する項目を選定しましょう。

●サンプルサイズ

サンプルサイズとは、集計対象となる回答者の数のことです。定量調査であれば分析軸ごとに最低30サンプル、全体では400サンプルを目安に、1対1のインタビュー調査であれば最低3~5サンプルを目安に推奨しています。

●調査費用・スケジュール

予算と調査結果が必要なスケジュールによって、サンプルサイズや質問の数、回答者の条件などの調査内容は制限されます。

調査企画の方法について、詳しくはコチラのホワイトペーパーをご覧ください。
『調査企画に欠かせない6つの項目』


アンケート調査結果の分析方法

アンケート調査の分析方法は、定量調査と定性調査で大きく異なります。
定量調査の分析は、集計表を分析する方法と、統計的な分析・その他の分析方法があります。

●集計表の分析

集計表は大きく2種類あります。

単純集計
単純集計
GT表(Grand Total)と呼ばれるもので、その時の調査について、どのような結果となったか全体の構成をつかむことに適しています。

クロス集計
クロス集計
表の左部(表側)と表の上部(表頭)の項目とを掛け合わせた集計表です。単純集計の結果を細かく見ることに適しています。性別での結果、年代での結果など、表側の項目に見たい軸を設定することで差を分析します。分析する際のサンプル数は最低でも30サンプルは確保していただくよう、推奨しています。


●その他の分析・統計的な分析

ここでは集計表を見ただけでは捉えづらい示唆を得るための分析手法をいくつかご紹介します。

GAP分析
自社商品やサービスが消費者の求めるものを満たせているのか、不足している要素は何かなどを分析する方法です。
自社商品の強みとなっているイメージを把握したい場合や、自社商品やサービスの特長や長所を打ち出して競合との違いをアピールしたい、というような場合に活用することができます。

コレスポンデンス分析
ブランドのイメージをマッピングする時などによく使われる分析手法です。単純集計やクロス表を直感的に理解できるようにするための分析手法でもあります。
自社と競合ブランドとの位置関係(ポジション)を知りたい場合や、広告やキャンペーンによって、ポジショニングの変更が達成できたのかを確認したい、クロス集計表をわかりやすくビジュアル化したいという場合に活用することができます。

因子分析
調査対象者の回答の背後に隠れた、目に見えない共通要因を発見する分析手法です。

クラスター分析
調査対象者を「似たもの同士」に分類する分析手法です。
因子分析と合わせて、生活者全体をいくつかのセグメント(グループ)に分類し、自社ブランドやサービスのターゲットを明らかにする、という使い方が一般的です。


定性調査の分析は、調査終了後に調査参加者各々が感じたことや考察を共有し、得られた情報から次のマーケティング施策につなげる示唆を得るために行います。デブリーフィングという振り返りの場を設けることが非常に重要です。

アンケート調査の活用事例と効果

アンケート調査を適切に行い、実際に成果に結びつけている弊社クライアントの事例をご紹介します。

●東京電力ホールディングス株式会社

高度なアンケート調査であればあるほど設計も実行も難しくなります。その時に成功のカギを握るのは、やはり調査目的と事前調整、きめ細やかにプロジェクトを実行すること。そして事業会社とマーケティング会社との協力体制ではないでしょうか。
東京電力ホールディングス様は、1000の生活者のお宅に計測機を設置し、アンケート調
査も行うという大規模な調査を実施しました。

東京電力ホールディングス様の事例について、詳しくはコチラをご覧ください。
東京電力ホールディングス株式会社| 実績紹介

●ホーユー株式会社

「アンケート調査をするだけでは斬新なアイデアは出てこない。」そう言われることもあります。調査を行う弊社も、アンケート調査を行うだけでアイデアがすぐ出るとは思っていません。調査を実施する側の知見と使い方が問われるのです。ホーユー様は店頭での行動観察調査、インタビュー調査などを組み合わせ、新しい店頭販促の形を生み出すための調査を実施しました。

ホーユー株式会社様の事例について、詳しくはコチラをご覧ください。
ホーユー株式会社| 実績紹介



アンケート調査に関するよくある質問

ここで、アンケート調査についてよくいただく質問についてまとめました。

Q: 何問くらいが適切なの?
A: ネットリサーチの場合、設問数は20問程度をお勧めしております。なぜなら、回答者の立場になった時、あまりに設問数が多いと回答の質が落ち、途中で回答をやめてしまう人が増えてしまうからです。
JMRAインタビュー調査品質委員会の発表した「インターネット調査品質ガイドライン」(2017)によると、ネットリサーチの場合、質問数は30問以内、回答所要時間は10分以内が推奨されています。

「インターネット調査品質ガイドライン」(2017)

Q: 年間何件のアンケート調査を行っているの?
A: 弊社では年間で3000件以上のアンケート調査を行っています。

Q: 回答にバイアスはかからないのか?
A: アンケート調査には大きく2つのバイアスが存在すると考えていますが、どちらも最小限にすることはできます。
1つは、調査設計の偏りによって生じてしまうバイアスです。アンケート調査の際は、調査毎に母集団から回答対象を抽出しますが、この母集団に何らかの特異性がある場合、市場の代表性があるとはいえません。ネットリサーチについてはインターネット利用者のみに母集団が限られるため、この懸念が長年指摘されていました。しかし国民のインターネット普及率が高まっている今、その問題は解消されつつあるといえます。ネットリサーチがここまで一般化したのも、その懸念を補って余りうるメリットがあるからこそです。
もう1つは、調査内容によって生じてしまうバイアスです。質問の順番、質問文の聞き方が回答に影響を及ぼすことがあります。
回答者のその時の心理状況にも影響を受けるため、全てのバイアスを完全に取り払うのは非常に困難です。バイアスが起こりやすいパターンを確実におさえて対処することで、最小限にとどめることに努めましょう。

Q: パソコンとスマートフォン、どちらの回答が多いのか?
A: パソコンの回答者の割合がまだ高いですが、スマートフォンの急激な普及によりスマートフォンで回答する人が増えています。これからは、スマートフォン回答に適したアンケート画面の設計が求められるようになってきます。

Q: 小学生や中学生にもアンケート調査はできるのか?
A: 親御さん同伴の元、回答をさせることが一般的です。アンケート調査を提供している会社の持つアンケート会員組織(パネル)のほとんどが、15歳や18歳以上からしか登録できないようになっているからです。

Q: アンケート調査を依頼する場合、調査票設計はどの程度やってくれるのか
A: 調査設計については、まったくゼロの状態から設計を行うこともあれば、元からある原案・素案を整える形で設計を行うケースがあり、どちらにも対応しています。

Q: 「70%」って良いの悪いの?
A: 定量調査のある質問で「70%」という結果が出たとします。この値が高いのか、低いのかを一概にいうことはできません。まずは判断の基準が必要です。その基準は、競合であったり、過去調査であったり、分析軸であったりと様々です。

Q: コンセプト調査は画像などがあったほうがいいのか?
A: コンセプトの評価をとる調査では、画像などできるだけ具体的な情報を出すことをお勧めしています。回答者のコンセプト自体の理解ととらえ方がぶれないようにすることが目的です。

Q: cookieと照合してアンケート対象を選択できるか?
A: 例えば特定のホームページ見た人のcookieとアンケート会員のcookieを紐づけて追跡調査ができるか、ということも可能です。ただし、かなり大規模に調査を行える予算、環境が整っていることが前提となります。





アンケート調査における注意点

アンケート調査を実施するうえで最も気を付けたい点は、最初の目的設定と活用の部分です。どのようなアンケートやインタビューであれ、実施することは簡単です。自社で会員を囲っているような場合もあるため、アンケート調査を行うハードルは非常に下がっているといえます。
しかし、調査設計の成否は最初の目的設定~調査設計の部分でほぼ決まるといっても過言ではありません。その際は、調査結果の活用までを考える必要がある、というのは今でに述べた通りです。
以上のことを踏まえて、ぜひアンケート調査をより手軽に活用していただければと思います。

アンケート調査の設計について、そして結果の活用について疑問がある方は、お気軽にご相談ください。










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