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インサイト把握 リサーチのコツ

インタビュー調査成功のコツとは?分析から活用方法など本当のところをお話します

2020年08月24日

マーケティングリサーチには、ネットリサーチなど数値データを分析するための定量調査と、インタビュー調査を行いそのインタビュー内容を分析対象とする定性調査があります。特にネットリサーチはその手軽さとわかりやすさから活用イメージが明確な方が多い一方で、インタビューで得た情報をどう活かせばよいのかイメージできないという方も多いようです。また、そもそも少数から得られた情報だから意思決定の判断材料にすることができない、と思われる方もいらっしゃるかと思います。

マーケティングを体系的に行っている企業は、商品開発・新規事業開発など、あらゆる場面でインタビュー調査を活用しています。

インタビュー調査の活用に疑問がある方、次への活用があいまいな方に対して、インタビュー調査を成功に導くコツ、分析方法、活用方法について、紹介していきます。

インタビュー調査とは?インタビュー調査の定義と目的について

インタビュー調査とはその名の通り、インタビューを通して対象者の情報を取得していく調査です。インタビュー調査は、対象者に様々なことを質問し、意見・行動・態度を事実ベースで明らかにするだけでなく、それらの背景にある「なぜ」の部分を深堀していくことに適しています。
マーケティングリサーチでは、「定性調査」に該当する調査です。定性調査と定量調査の比較については以下の記事でご覧ください。

定量調査と定性調査の違いとは?

また、インタビュー調査の目的として、仮説の発見と実態把握の2つが一般的に挙げられます。
仮説の発見、というのは新しい視点、アイデア、考えの発見と言い換えてもいいかもしれません。少数へのインタビューではありますが、消費者心理の深堀りを通して、今までになかったアイデアや考えを発見することを目的に行います。

一方実態把握には、ターゲットとなる消費者の意識や行動を詳しく把握することと、サービス・商品についての評価実態を詳細に把握することの2つがあります。

その他、インタビュー調査が活用できる例として、以下のような場合があります。

例

インタビュー調査の種類

インタビュー調査には、「デプスインタビュー」と「グループインタビュー」という大きく2つの手法があります。

手法

●デプスインタビュー
デプスインタビューの最も大きな特徴は「1対1」のインタビューである、ということです。インタビュアーと対象者が1対1で向かい合い、質問を重ね、行動の理由や感情といった、心理的側面を深堀していきます。インタビュアーには、相手から言葉を引き出し、インサイトを探っていくことが求められます。

消費者インサイトとは何か、詳しくはコチラ

デプスインタビューのメリット・デメリット、成功のコツについてはコチラ

●グループインタビュー
デプスインタビューとは異なり、4~6名ほどの複数の対象者に対して1人のインタビュアーがインタビューを行います。グループインタビューでは、インタビュアーはモデレーターとも呼ばれ、話を振り、場を盛り上げていく役目を担います。

グループインタビューのメリット・デメリット、失敗しないコツについてはコチラ

その他にもインタビューに加え行動を観察する行動観察調査もありますが、基本的にインタビュー調査は1対1か複数か、という分け方をします。

行動観察調査とは何か、事例も含めた詳細はコチラ

インタビュー調査の成果物について

インタビュー調査をマーケティング会社に依頼した場合、インタビュー調査の成果物(アウトプット)は、インタビューの動画、インタビュー中の発言録、調査結果をまとめた調査レポートの大きく3つがあります。

インタビュー調査の成果物(アウトプット)について大切なことは、「アウトプットとしてどのような納品物があるか」よりも「○○な使い方をするために、こういうアウトプットが欲しい」と整理しておくことです。

アウトプット

まれに、どのようなレポートが納品されるかということが最大の関心事である方がいらっしゃいます。そのようなプロジェクトでは、その調査をどのように活用するか整理しきれていないケースもあります。インタビュー調査を実施すること自体が目的化している状況は避けたいところです。

インタビュー調査で大切なのは、当初の調査目的を達成でき、次に活かせる情報を得られたか、ということです。これをクリアしているのであれば、社内共有用に絶対に必要だという場合を除いて、詳細なアウトプットは必要ないのではないでしょうか。発言録やレポートの作成には別途費用が発生する場合がほとんどです。明確な意図なしに詳細レポートを依頼するということは避け、自社の予算と必要性に応じて、アウトプットは精査しましょう。

インタビュー調査のまとめ方

留意点

まずは一般的なまとめ方として、インタビュー対象者それぞれについて発言を整理しまとめる方法があります。それぞれの対象者が発言した内容とそこから導かれる考察を、セットでまとめます。

ただ、前段でもお話した通り、インタビュー調査のまとめ方は目的次第です。インタビュー調査後は社内で話し合えばよいという理由で、事前のスクリーニング調査の定量グラフだけあればよいという企業もいます。

また、誰向けにまとめる必要があるのか、という点も考慮する必要があるでしょう。調査に参加している同僚やプロジェクトチーム内での共有レポートであれば、そのインタビュー中に重要だったトピックスを担当者自身がまとめた事実ベースの簡易レポートでよいでしょう。もし上司や提案用のレポートであれば、事実ベースの記載に加え、次の具体的なアクションにつなげられるような自らの示唆や提言などを盛り込むようなまとめ方がよいでしょう。

もしレポート作成まで外部に依頼するならば、どのようにそのレポートを活用するかを念頭において、まとめ方をある程度指示することをお勧めします。もちろん、そこまで考えたレポートを提案してくれる企業が、いいパートナーになるということは言うまでもありません。

インタビュー調査の分析方法について

インタビュー調査は数字や割合を扱うわけではないため、定量的に分析することはできません。定性情報で意思決定がしづらいため定量指標として扱いがちですが、グループインタビューのまとめで、「6人中4人がいいと言っている。だからこのままいきましょう!」というような議論は、そう言いたくなる気持ちは痛いほどわかりますが、本質ではありません。

分析

もし数的根拠が欲しいのであれば、定量調査を合わせて行うべきです。インタビュー調査がごく少数の意見だからと、その活用を切り捨ててしまう背景にはこの視点が抜けています。

当たり前ではないアイデアや情報は、定量調査では得られません。適切な対象者への深い狭いインタビューと観察からのみ、見つけ出せるものです。インタビュー調査で得た、少数ながら深く狭い情報からアイデアを見出し、市場での可能性を定量的に調査する。その組み合わせで体系的にマーケティングサイクルを回し、この批判を乗り越えていただきたいと強く思います。

ネオマーケティングでは、インタビュー調査と定量調査を組み合わせて、調査を活かした施策立案~実行まで行う「カスタマードリブン」という支援サービスを提供しています。

「カスタマードリブン」の詳細はコチラ

インタビュー調査をいかに活かすか、実施後の活用について

インタビュー調査で得られた情報は、いわば料理のための「食材」の一つです。社内のノウハウ、競合情報、商品情報、購買データなど、その他の「食材」と合わせて、どうしていくかを決めて行きます。

インタビュー調査は声による定性情報のため、受取り手によって情報の解釈が大きく異なる可能性があります。インタビュー調査を活かすためにも、まずは関係者間で意見を交わし合う場を設けることが必要です。

通常は「デブリーフィング(振り返り会話)」という場を設け、インタビュー調査の内容を振り返り、感想や意見を交換し合います。デブリーフィングを進化させた、ワークショップを行うことも有効です。ワークショップでは、意見を出し合い、具体的なアウトプットに落とし込むところまでを行います。実際にプロトタイプのイメージを作成したり、コンセプトシートを作成したり、全員がイメージできる形に落とし込んでいきます。

実際に行ったワークショップの様子はコチラ

ワークショップで将来のビジョンを作成した大阪FMの事例はコチラ

インタビュー調査の成功とは何か?

そもそもインタビュー調査の成功の定義は2つあると考えています。

成功

〇成功パターン1:調査目的を達成した
まず成功の一つ目は、調査目的を果たすことができた、ということです。「インタビューをして色々わかったけれど、意思決定や次の施策にその情報を生かすことができなった」という場合、これは明らかに失敗です。インタビュー調査の後、具体的にどうすればいいのか決断に踏み切れないケースは多々あります。

なぜこのようになってしまうかというと、インタビュー調査で果たすべき目的がはっきりしていないからです。目的がはっきりしていないがゆえに、聞くべき内容に抜け漏れがあったり、本質的ではないアウトプットの体裁の話に陥ったりしてしまいます。

〇成功パターン2:思いがけない発見があった
もう一つの成功は、思いもしなかった発見があった、ということです。担当者は自社の商品やサービスを熟知し、ターゲットとなる顧客への理解も深いため、ある程度インタビューで得られる回答が想像の範囲にとどまってしまうことがあります。インタビュー調査の経験が豊富な方ほど、今までになかった発見やまったく新しい視点に出会うことができたというとき、調査への満足度は高まるように思えます。発見を共有し、次の施策に落とし込むためにも、ワークショップの場を設けることも有効です。

インタビュー調査成功のコツ

インタビュー調査を成功に導くコツをご紹介します。

コツ

●コツ1:調査目的を整理する
繰り返しになりますが、インタビュー調査を成功させるためには、調査のアウトプットで何をしたいのか、目的をはっきりとさせることが非常に重要です。そして、調査目的はプロジェクトメンバー間で共通認識としてもっておく必要があります。事前に社内の関係者、特に関係する他部署までにわたって、認識を統一させておきましょう。
注意したいのは、他部署も関わるプロジェクトで、1つの部署だけで認識を統一して進めてしまう場合です。関わる全部署で調査目的の共通認識が取れていなければ、調査後に「なんでその調査やったの?」という事態に陥る可能性があります。

●コツ2:「質」の良い対象者を選ぶ
新しい発見に出会えるかどうかは、「誰に、何を聞くのか」に全てかかっています。インタビューすれば誰でもいいのかというと、全くそんなことはありません。いくらインタビューで深堀しようとしても、想像できる内容しかそもそも話せない対象者から引き出せる情報には限界があります。
また、年代や婚姻状況、年収、家族構成などの属性情報で対象者の条件を設定することも意味はありません。セグメンテーションとターゲティングを精緻に行い、新しい発見につながりそうな人に聞くしかないのです。事前のスクリーニング調査の自由記述の回答、リクルーティングの電話での応答などが、対象者を選定するための重要な機会となります。

●コツ3:インタビューフロー
インタビュー調査を行う時は、質問内容と全体の流れをまとめた「インタビューフロー」というものを作成します。調査目的がはっきりしておけば、どういう内容を聞く必要があるかが明確になり、自然と適切なインタビューフローを作成することができます。
インタビューフローは調査全体のガイドラインのようなものです。抜け漏れがないように念入りに確認しましょう。

【サンプル】の簡易版インタビューフローの例はコチラ

●コツ4:ヒアリング力
インタビューフローに忠実でいると、1問1答になってしまうことがあります。フローにそって抜けもれなく聞くことが目的になってしまうのですが、それではあまりにもったいないです。
インタビューでは深堀りが重要です。インタビューの中で気になることがあれば、たとえ脇道にそれたとしても積極的にヒアリングをしていく姿勢が大切です。特に調査の初めは、対象者と心理的な距離があるため本音を簡単には話してくれません。最初に信頼関係を構築することを「ラポール形成」といいますが、雑談や簡単に答えられる質問などを行い、意識的に距離を縮めることが求められます。

適切な対象者を選定しさえすれば、優秀な営業マンや人の話を引き出すことが上手な人であれば、基本的なインタビュー調査は実施できるでしょう。

インタビュー調査の事例

ここでは、実際にインタビュー調査の成功事例をお伝えします。

●調査背景と目的
カップ麺の新商品を開発しようとしており、コンセプト開発のアイデアを得るためにインタビュー調査を検討していました。以前既存商品のターゲットにインタビュー調査を行なったものの、ありきたりな情報しか得られなかった背景があり、調査対象者の条件には悩んでいました。また、今まで自分たちでインタビューも行なっており、インタビュー対象への心理的な理解にまで至れていない課題感を持っていました。

●調査手法
自宅への訪問と喫食している様子を見せてもらう訪問観察調査
デプスインタビュー
ネットリサーチ

●調査対象の条件
カップ麺の飲食頻度が週に3日以上
喫食に際して自分なりの強いこだわりを持っている人(自由記述で取得)

●サンプルサイズ
3名に実施

●インタビュー内容
・どのようなライフスタイルを送っているか、対象者自身の生活実態を理解する質問
・対象者が求めるカップ麺に感じている価値
・普段食べているカップ麺の種類、食べ方、その理由
・カップ麺の食べ方へのこだわり
など

●調査結果
カップ麺の喫食頻度が高く、強いこだわりを持った人がどのように普段カップ麺を食べているのか、インタビューを行ないました。得られた情報を基に、新商品のコンセプトシートを作成。再度同じ対象者に、作成したコンセプトシートを評価させ、コンセプトの修正を重ねました。
修正したコンセプトの市場での受容性を確かめるべく、ネットリサーチを実施。それらの結果をまとめ、社内プレゼンのための資料を作成し、新商品プロジェクトを進めました。

インタビュー調査に関するよくある質問

Q:適切な調査対象の人数とは?
⇒A:各ペルソナ(セグメント)で3人~5人ほどインタビューを行いましょう。インタビューを行う人数が増えるほど、得られる情報量は増えますが、リソースとの兼ね合いで決めると良いでしょう。

Q:インタビュー調査は自分たちでもできるのか?
⇒A:このコラムに記載されたことにそって行えば、インタビューを実施し、次回アクションへとつなげることができるかと思います。ただ、対象者の心理的側面に深く迫りたいときには、外部の会社に依頼を行う方が良いでしょう。

Q:オンラインでもインタビューができるのか?
⇒A:インターネット会議システムを活用して、インタビューが可能です。

オンラインインタビューの詳細はコチラ

Q:オンラインインタビューで、グループインタビューは可能か?
⇒A:可能ではありますが、当社としてお勧めはしていません。オンラインでのグループインタビューの場合、複数人が同時に話しにくいという課題があります。インタビュアーとの一問一答に陥りやすく、答えている人以外は質問待ちの状態になってしまう傾向があります。

Q:インタビューの対象はどのように選べばよいのか?
⇒A:適切な対象者を選ぶには、調査目的を整理することです。調査結果をどのように活用したいのかを考えれば、おのずと適切な対象者条件が定まります。
新しいアイデアや斬新な切り口を求めるという目的では、インタビュー対象者を選定する際に、市場において特異な人という意味の「エクストリームユーザー」というデザイン思考の考えを取り入れることも有効です。
ご相談いただいた場合は、目的の確認と対象者条件の設定もご支援しています。

Q:インタビューで取り扱えないテーマはあるのか?
⇒A:インタビュー対象者の許諾を得られさえすれば、基本的に取り扱えないテーマはありません。金銭、病気、性に関することなどデリケートな内容の場合は、グループインタビューよりもデプスインタビューの方が向いています。

まとめ

インタビュー調査を成功させるコツは、調査目的を明確にし、適切な対象者を選び、インタビューフローを作成し、インタビュー後具体的なアクションを起こせるような振り返りの場を設ける、ということです。
マーケティングリサーチが、良質な意思決定をサポートする手段であることの本質は変わりません。インタビュー調査の結果を安易に定量的に結論付けるのではなく、インタビューで得た情報を一つの参考情報として、「決断を下す」ために活用していだければと思います。
そして外部に依頼する際には、調査前後のマーケティングプロセスを理解している企業に依頼することをお勧めします。

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