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価格設定を極める!プライシング戦略の考え方
2016年11月21日
商品の価格は、会社の利益に直接的な影響を与えます。価格は、根拠や戦略を入念に考えた上で決定することが重要です。ポリシーを持たず、類似商品が値下げをしたら同じように値下げするような価格設定を繰り返していると、最終的には収益のバランスが取れなくなり、企業活動に深刻なダメージを受ける可能性があります。
それでは、価格の設定(プライシング)はどのような考えのもとに行えば良いでしょうか。
今回は、価格設定(プライシング戦略)の考え方についてご説明します。
価格決定の要素
価格を設定する前に、基本的な価格設定の要素を洗い出しておきましょう。
まず把握すべきは、「顧客は誰か」ということです。日用品であれば一般消費者が顧客ですが、大規模なクラウドストレージサービスであれば企業が顧客になるでしょう。
また、一般消費者の中でも、ターゲットとする年齢層や職業によって適切な価格は変わることになります。対象の顧客像を明確にして、どのくらいの価格帯が最も受け入れられやすいかを考えることが重要です。
次に、商品を生み出すための自社のコストを確認します。当然ですが、掛かるコストよりも安い価格で売れば、赤字になります。収支のボーダーラインを確認するためにも、どのくらいのコストが掛かっているか、はっきりさせましょう。
使用している材料などの原価も変動する可能性があります。さまざまな状況で、掛かるコストをよく把握してください。
最後に、競合商品の価格を確認します。競合商品の価格を確認する理由は、自社の商品を同程度の価格にするためではありません。自社の商品の相対的な価値を把握するために、競合商品の価格を確認します。
例えば、競合する商品と差別化できるようなクオリティや付帯サービスを提供できるならば、より高い価格を設定できます。しかし、他社と比較して劣っている点があれば、低めの価格にすることが必要です。
定番のプライシング戦略
消費者の心理を利用した価格戦略は、利益アップの有効な手段となります。
例えば、「薄利多売」も価格戦略の1つです。基本的には、価格の安い商品の方が価格の高い商品よりも売れます。そのため、価格を抑える代わりに大量の商品を売り、利益をアップさせる薄利多売は、非常にポピュラーな価格戦略の手法です。
しかし、高級ブランド品などは価格自体がブランドの信用を支えています。過度に安い価格では、ブランドの価値が下がる可能性があります。むしろ、高めの価格の方が一部の消費者の心をつかみ、売れやすくなる場合もあるのです。大量に商品が売れなくても、高めの価格を設定することによりコストを回収することができます。
商品に関心のない消費者にアピールしたい場合は、「基本のサービスを無料化する」価格戦略も有効です。「無料ならば一度利用してみよう」と考える消費者の内、何%かの消費者が継続して有料サービスを利用してくれる可能性があります。
また、サービスに満足しなかった消費者に対し「返金システム」を採用することも1つの価格戦略です。リスクがあるように思えますが、自信があるサービスは強気のアピールで消費者を安心させ、購買につなげましょう。
近年増えているプライシング戦略
近年では、これまでの価格戦略の常識とは一線を画した戦略が採用されることが増えています。
代表的な価格戦略が、「ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ方式」です。投げ銭方式、つまり購入者が適性価格を判断し、それぞれが払いたい価格を設定します。
極端に少額しか払わない消費者が多いのではないか、という不安もあるでしょう。しかし、実際にペイ・アズ・ユー・ウィッシュ方式を採用して通常の販売方法よりも多くの利益を得たケースも存在します。
また、競合他社より圧倒的に低い価格を設定する「低価格戦争」という価格戦略もあります。リスクは高いですが、競合他社と一気に差を付ける上では有効な戦略であると言えるでしょう。
おわりに
近年は、各企業で値下げ合戦が繰り広げられていますが、安ければものが売れるとは限りません。商品の内容と価格のバランスが適性である商品に、消費者は魅力を感じます。
商品やサービスの価格を決める際は、基本を押さえた価格設定を行いましょう。その上で市場や消費者、競合商品などを分析し、利益を最大にできるプライシング戦略を検討することが重要です。
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