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2021年03月09日

  • リリース

適正価格を算出する分析 CVM分析・PSM分析について

生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なう株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)では、今の時代に即したマーケティングリサーチのあり方を検討するべく研究チーム「NEO Research Lab」を立ち上げ、独自で調査を行なっております。
今回プロジェクト第3弾の調査として、商品・サービスの適正価格を把握する調査手法を取り上げました。適正価格を算出するCVM分析とPSM分析について、弊社の独自調査の結果をご紹介します。

調査背景

商品・サービスの適正価格はどのように決めることができるのでしょうか?商品・サービスの価格は、ビジネス上の利益計画はもちろん、市場や競合商品の分析、生活者の価格の受容性を考慮して設定する必要があります。この価格の受容性をはかる際の情報を得る手段として、価格受容性調査があります。今回は、価格の受容性をはかるうえで代表的なCVM分析とPSM分析を取り上げ、分析手法による結果の差異を改めて確認したうえで、どのように結果を解釈すればよいのかという点で示唆を得るため、調査を実施しました。

調査概要

調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施

調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、全国の20歳以上の男女を対象に実施

有効回答数:1500名

調査実施日:2021年1月21日(木)~2021年1月28日(木)

調査内容:架空の商品「完全栄養パン」のコンセプトを提示し、その価格受容性をはかる調査を実施。1500名の対象者をランダムにA~G群に分け、群ごとに質問の仕方を変えて、CVM分析・PSM分析・通常の価格設問、それぞれで導いた結果を分析、比較した。

【調査結果の見方
・nは回答者数を表している。
・回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示している。このため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合がある。
・設問の回答には、単一回答と複数回答がある。複数回答の設問は、回答率(%)の合計が100%を超える場合がある。
・nが30未満の数値は参考値とする。
・分析ツール:栗山浩一「ExcelでできるCVM Version4.0」を活用
http://kurikuri.cocolog-nifty.com/kurikuri/


【調査対象の詳細】

調査対象

  • CVM分析とPSM分析とは

  • 【CVM分析について】

    ■CVM分析とは
    CVM分析とは、対象商品について、あらかじめ呈示する価格帯を設定しておき、各価格での購入意向を段階的に聴取し、適正価格を算出する方法のことです。価格をイメージしにくい新規商品・サービスでも対応できますが、事前に提示する価格帯を設定するか、呈示する価格帯を得るためのプレテストを設ける必要があります。

    ■CVM分析の質問イメージ
    Cvn1

    Cvn2

    Cvn3



    ■PSM分析とは
    PSM分析とは、対象商品について、適正だと思う価格を4つの視点(安いと思う/安すぎて品質が不安/高いと思う/高すぎて買わない)で、自由に記述(数値入力)してもらい、数値データから適正価格を算出する方法のことです。価格をイメージしやすい日用品等であれば、分析精度が上がると言われます。
    一方、高額すぎる商品の場合は価格レンジが広くなり、安価すぎる商品の場合は価格レンジが狭くなりすぎるため、PSM分析には不向きとされます。また、価格のイメージが全くつかない専門技術や画期的技術なども不向きとされています。

    ■PSM分析の質問イメージ
     
    あなたは、「完全栄養パン」を、いくらぐらいから「高い」と感じ始めますか。
     あなたは、「完全栄養パン」を、いくらぐらいから「安い」と感じ始めますか。
     あなたは、「完全栄養パン」を、いくらぐらいから「高すぎて買えない」と感じ始めますか。
     あなたは、「完全栄養パン」を、いくらぐらいから「安すぎて品質が疑わしい」と感じ始めますか。
     ※自由記述(数値入力)




    ■(参考)一般的な価格受容性をはかる手法

    今回は、コンセプトを呈示した上で「その商品をいくらなら購入したいと思うか」と直接的に質問して得た数値結果の中央値と平均値も参考データとして取得しています。

    ■一般的な価格受容性をはかる手法の質問イメージ

     コンセプトの商品「完全栄養パン」がいくらくらいだったら、購入したいと思いますか。
     ※自由記述(数値入力)



  • 本調査の設問内容

  • 質問

    本調査では、まず調査対象者1500名をA~G群にランダムで振り分け、質問内容を変えています。A~E群には各群に対して呈示する金額を変えてCVM分析の質問を行い、F群にはPSM分析の質問を、G群には一般的な手法による質問を行っています。

    全ての回答者には、仮想の商品「完全栄養パン」を説明した同一のコンセプト案を呈示しています。

  • 本調査結果のまとめ

  • ・CVM:「\200」の購入意向率は54.8%と約半数
    ・PSM:適正価格帯「¥205~¥208」
    ・(参考) 一般的な価格受容性をはかる手法:「\200」では受容率60.2%で半数を超える

  • CVM分析結果

  • CVM結果

    CVM分析の質問では、呈示したそれぞれの価格に対して、回答者のうちどの程度の割合の方が購入意向を示したかを表すことができます。ここでは、価格別の購入意向率をグラフに表示しています。

    呈示した商品価格が\100だった場合は75.0%の方が購入意向を示し、\200だった場合54.8%、\300だった場合39.5%、\400だった場合28.3%の方が購入意向を示しています。
    商品価格が200円以下の場合に、約半数以上の方がその価格を受容すると回答しています。

  • PSM分析結果

  • PSM結果1

    PSM結果2


    PSM分析の質問では、最低品質保証価格・利用価格・妥協価格・最高価格を掛け合わせて分析することで、回答者が受容できるとする価格を「受容価格帯」として、適正だと考える価格を「適正価格帯」として表すことができます。
    ここでは、「受容価格帯」は\193~\257、「適正価格帯」は\205~\208となっています。

  • (参考) 一般的な価格受容性をはかる手法の分析結果

  • 参考

    一般的な価格受容性をはかる手法の場合、ある金額において、実際に回答された購入意向金額がそれ以下の人の割合を、その金額の「受容率」として表すことができます。
    ここでは、商品価格が\100であれば、95.8%の方の購入意向金額が\100よりも上回っており、\200であれば60.2%、\300であれば37.8%が受容しています。

  • 本結果から見えるPSM分析とCVM分析のメリット・デメリットについて

  • CVM分析とPSM分析について、本調査結果から以下のメリット・デメリットがあることが確認できました。

    【CVM分析】
    ●メリット
    ・“200円は54.8%、300円は39.5%の購入意向率”といった細かな価格シミュレーションができる
    ・実現不可能であるという結果にはなりづらい
    ・受容率が分かる

    ●デメリット
    ・あらかじめ呈示する価格帯を決める必要がある
    ・あらかじめ調査実施者側で設定するため、回答者視点ではない適正価格が算出される
    ・PSM分析のような価格幅が分からない
    ・サンプリング・設問設計がシンプル、且つ、設問数を抑えられない

    【PSM分析】
    ●メリット
    ・回答者が数値入力するため、回答者視点での適正価格が算出される
    ・サンプリング・設問設計がシンプル、且つ、設問数を抑えられる

    ●デメリット
    ・顧客視点のため、実現不可能、または、解釈不能といった結果になることもある
    ・“200円は54.8%、300円は39.5%の購入意向率”といった細かな価格シミュレーションができない
    ・受容率を求める手法ではない

  • 次回にむけて

  • PSM分析で導出された理想価格(最も多くの人が買う可能性がある価格)が205円であり、CVM分析で近似値の200円の購入意向率は54.8%、さらに一般的な手法において200円の購入意向率は60.2%という結果を得ました。

    これは、PSM分析の「最も多くの人が買う可能性がある理想価格」を採用した場合に、CVM分析の結果からはおよそ50%強の人が購入してくれる可能性がある、と解釈できます。
    これまでPSM分析で理想価格を採用した場合に、どのぐらいの人が買ってくれるのかわからなかった点を補完する可能性があると考えられます。

    ただし、この可能性はあくまでも本調査の結果から言えることであり、他の商品やサービスで同様の考え方が通用するとは限らない点は留意すべきです。

    次回においては、プライシングの考え方でPSM分析やCVM分析の結果をどのように活用するか、CVMとPSMの使い分け、CVMを利用する際の精度向上の方策について考察する予定です。

    ■この調査で使用した調査サービスはコチラ
    ネットリサーチ:https://neo-m.jp/research-service/netresearch/

    ■引用・転載時のクレジット表記のお願い
    ※本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
    <例>「生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なうネオマーケティングが実施した調査結果によると……」

    ■「ネオマーケティング」
    URL :https://neo-m.jp/

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