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- 象印マホービン株式会社 (左)森嶋 孝祐様 (右)大塚 萌衣様

業界初※の技術「シームレスせん」を搭載した魔法瓶ユーザー調査で得られた”気づき”とは?
象印マホービン株式会社 第三事業部 (左)森嶋 孝祐様 (右)大塚 萌衣様
設立:1948年12月
事業内容:調理家電製品、生活家電製品、リビング製品などの製造・販売およびこれに附帯する事業
従業員数:1,322名(2020年11月20日時点)
「シームレスせん」の方向性について改めて調査したい
ユーザーにとってより使いやすい商品とは何かを日々考え、商品を開発する象印マホービン様。中でも、ステンレスボトルにおいて「せん」と「パッキン」の一体化を実現した業界初※の技術「シームレスせん」は、洗いやすいのはもちろん、パッキンの紛失や付け忘れの心配もないとあって各方面から注目を集めています。
「シームレスせん」を導入したステンレスボトルの開発秘話や、ネオマーケティングとの取り組み内容についてお話を伺いました。
※ステンレスボトルにおいて、せんとパッキンをひとつにしたせん構造の技術。(2020年7月30日発表による 象印調べ)
いちばん重要なのはシンプルであるかどうか
―「シームレスせん」は業界初※の技術だと伺いました。開発のきっかけを教えてください。
我々には伝統的に「品質面での担保はもちろん、お客様のことを真摯に考えて作る」という意識が根付いています。そんな中で、ステンレスボトルのパッキンについては課題に上がる項目の一つでした。というのも、お客様のなかでうっかりパッキンを付け忘れてしまったり、洗浄時になくしてしまうという人が多かったからです。なんとか解決できないかといろいろなアプローチの商品を発売してきましたが、根本的に解決できるアイデアには至らないままでした。
そこで方向性をもう一度探るべく、2019年に120人のボトルユーザーに集まっていただきインタビューを実施したんです。見えてきたのは、とにかく「シンプルなものがいい」ということでした。“シンプル”はすごく漠然とした言葉ではあるのですが、ここにこだわって生まれたのが今回の「シームレスせん」です。
お客様を1番に考えて、より軽やかな商品を
―シンプルにもいろいろな方向性があるかと思います。「シームレスせん」に至ったのは、象印様の“お客様のことを考える”という哲学に基づいてのことでしょうか。
そうですね。弊社のブランドイメージとして「安心感、真面目」などとあげていただくことが多いのですが、同時に働く社員も真面目さや一生懸命さのマインドを持っている人が多く、つい真面目に頑張りすぎてしまう(笑)。
これまで、飲み口が分解できたり部品の紛失を防ぐ工夫をしたりというアプローチを行なってきました。正直ここまでお客様のことを考えているメーカーは他にないのでは?と思えるぐらいだったのですが、結果的に出来上がった商品は構造が複雑なものになってしまっていました。
お客様の事を考える熱量は変えずに、真面目にシンプルと課題解決の両立を目指したのが、このせんとパッキンを一体にした「シームレスせん」のステンレスボトルです。
コロナ禍での市場動向を探るべく調査を依頼
―ネオマーケティングは商品発売のタイミングでご支援させていただきました。改めて経緯を教えていただけますか。
2020年9月での発売が確定しましたが、当時は新型コロナウイルスが猛威を振るっている時期。まずはふたを回して開けるスクリュータイプを発売し、次に片手で開けられるワンタッチオープンタイプをリリースして、と構想が進んでいた段階だったのですが、コロナ禍の市場は混乱していて、せっかくいい商品ができたのに、コロナ禍でうやむやになってしまうのも嫌だなと思っていた時にちょうどお話しをいただいて。
―まずはタイミングが合ったということですね。
そうですね。あと、担当者さんの熱量がすごく強かったのもありました(笑)。私自身も営業をしていた人間ですので、思いが共有できたというか、何か任せてみたいなと思えました。
―調査の具体的な内容は考えておられたのですか?
最初に商談に来られた際、いろいろお話しする中で「今調査をするならオンラインで考えるしかないですね」と言ってはいたんです。ただ、商談の場では漠然とした話だけだったのですぐに提案いただくことはないかなと考えていました。そうしたらもう、すぐにホームユーステストとセットでのオンラインインタビューという提案を頂いてレスポンスの速さに驚きました。スピード感を持って進めていただけるのはありがたかったです。
初めてのオンラインインタビューで良さを実感
―8名にホームユーステストを行なって、各々1時間のオンラインインタビューを行なってみていかがでしたか?
これまで対面で15分ほどのインタビューをすることはあっても、1時間という長い時間でしかもオンラインということで不安もあったのですが、やってみてすごく良かったです。ユーザー様のご自宅などプライベートな空間でインタビューを受けていただけたので、とてもリラックスした状態で質問にお答えいただけたという実感もありました。
例えば「どうやってボトルを洗っていますか?」と質問した際には洗い方を実演してくださったり、普段使っていらっしゃる自前の水筒を見せてくださったりと、プライベート空間ならではの発見がたくさんありました。
私もインタビューに同席しましたが、リラックスされている方が圧倒的に多かったですね。その空気感はわいわい盛り上がっている時のグループインタビューっぽくもありました。
―コロナ禍でオンラインインタビューになったけれど、結果的には良かったと。
そうですね、期待以上でした。
ユーザーの声を聞いて商品の方向性が間違ってないと再確認
―インタビューで聞いた内容についてはいかがでしたか。
私たちは「シームレスせん」の開発にすごく苦労したので、ここについて聞きたくてたまらないんです(笑)。だけど、まずは「使ってみてどうでしたか?」と誘導せずに直球で聞いてみました。するとみなさんの第一声は「デザインがいい」でした。てっきり「シームレスせんってすごい!」という意見がいちばんに聞かれるかと思っていたので、驚きもありましたが、デザインも強くこだわったポイントだったのでうれしかったです。あ、デザインの話の後にはちゃんと「シームレスせん」の良さも絶賛して頂けましたよ(笑)。
また飲み口の口当たりについてもこだわっていて。実はあまり芳しくなかった前モデルを踏襲した仕様で、社内であまり注目されていませんでした。でも開発に時間をかけて飲み心地を追求し、私自身も良いものだと思っていたのでこっそり取り入れていたんです。
すると、インタビューで多くのユーザー様に「口当たりの良さに驚いた」と評価していただけて。目玉ではない部分にも好評価をいただけたので、長年の方針はやはり間違っていなかったんだという自信にも繋がりました。
ホームユーステストのユーザー選定もインタビュー内容も非常に満足
―ネオマーケティングのサポート体制はいかがでしたか。
1時間しっかりインタビューするということは初めてだったので選定などの面で大変でしたが、その分サポートもしっかりしていただき、問題なく調査を行なうことができました。
インタビューで聞いた意見については、小売店様との商談資料に落とし込みました。お客様の生の声を反映させると、商談の説得力が増して、反応も上々でした。
―最後にお2人の今後の展望を教えてください。
森嶋様:
お客様自身も気づいていないような「生活の中の不満」を見つけて、解決できる提案を続けていきたいですね。不満というのは、自分達の日常生活の中から発見できるものもありますが、調査をしなければ気づけないことも多いので、ネオマーケティングさんからの速いレスポンスのご提案にも引き続き期待しています(笑)
大塚様:
この「シームレスせん」の商品を祖父母にプレゼントしたんです。そしたらとっても喜んでくれて。私も、家族や友人が「こんなのがほしかった!」と言ってくれるような、暮らしをより快適にする価値を提供できたらと思います。
ネオマーケティング担当者から
ものづくりの奥深さと同時に、象印様が会社として大切にされている想いを知ることができ、私自身非常に勉強になりました。『うっかり』を事前に防ぐためには、という視点を知りお客様のことを常に考えるとういうことが如何に大切であるか改めて学ばせていただきました。日常にとけこむような、あたたかな色合いが印象的な商品と感じると同時に、インタビュー後は陰から日常を支えてくれるお守りの様なイメージを持ちました。
今後一人でも多くの方に象印様の商品を利用いただけますよう、期待に添えるよう全力で取り組んでいきたいと思います。
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