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Company interview企業インタビュー

お客様との取り組み事例とインタビューをご紹介します。

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  • アシックスジャパン株式会社 マーケティング統括部 マーケティングコミュニケーション部 トレードマーケティングチーム 山岡一史様、株式会社アシックス コアパフォーマンススポーツフットウエア統括部 戦略チームカテゴリー戦略部 岩田洋様

「できる」と言ったのはネオマーケティングだけ。現役中高生を対象にしたインタビュー調査を実施。ユーザーの生の声を商品開発とブランド戦略に活用

アシックスジャパン株式会社  マーケティング統括部 マーケティングコミュニケーション部 トレードマーケティングチーム 山岡一史様、株式会社アシックス コアパフォーマンススポーツフットウエア統括部 戦略チームカテゴリー戦略部 岩田洋様
設立:2012年9月
事業内容:アシックス製品の国内におけるマーケティング活動 および対法人営業
従業員数:2,300名

全社をあげての大規模ユーザーインタビューを実施

直営店舗「アシックスストア」「オニツカタイガー」などを中心にアシックス製品の国内における営業・販売活動を行うアシックスジャパン株式会社。
2020年夏に全社をあげて大規模なユーザーインタビューを実施。学生を含むスポーツシューズユーザー48名を対象に行った調査をネオマーケティングがサポートさせていただきました。その調査プロジェクトのメンバーだった岩田様と山岡様に、調査の意義や活用法について伺いました。

アシックス製品が競技者の「記憶」になるように

―まずは、山岡様と岩田様の部署と業務内容を教えてください。

山岡様 私が所属するトレードマーケティングチームは、エンドユーザーに近い営業とマーケティングをブリッジする役割を担っています。消費者の購買行動を様々な視点で捉え、アシックス商品をどうかっこよく見せるか? どうメッセージを届け、買っていただきファンになってもらうか? その意識づけをしていくチームです。

岩田様 僕は今春に神戸のアシックス本社に異動になったのですが、調査当時は、CPSビジネスプランニングチームに在籍していました。CPSは「コア・パフォーマンス・スポーツ」の略で、陸上やサッカー、バスケ、バレーといった競技スポーツのビジネスプランを考える部署になります。業務は多岐にわたり、商品企画から販売戦略、流通戦略に関してなど、競技スポーツ全体の戦略を考える部署です。

―お客様とのコミュニケーションにおいて意識されていることを教えてください。

山岡様 商品の購入をただの商品の移動で終わらせないことです。買って終わりだと残るのは「印象」だけ。そうではなく、アシックスを好きで買っていただき、その物が「記憶」になっていくような、そんな、心の移動ができれば最高だと思っています。

岩田様 基本ですが、お客さまの視点、立場に立ったコミュニケーションでしょうか。
僕は長くサッカーのスパイクの企画を担当していて、どうしても「これ5g軽くなったんです!」と、スペックを語りたくなってしまう。しかし、それではお客様に価値を直感的に理解してもらうことが難しくなってしまいます。5gの軽量化がどのようなベネフィットをユーザーにもたらすのか、お客様に寄り添って伝えることを心掛けています。

カスタマージャーニーを探る全社的プロジェクト

―2020年夏、インタビュー調査を実施されました。どんな調査だったのでしょうか?

岩田様 対象としたのは、コアパフォーマンススポーツの中でも主力となる陸上・サッカー・バスケ・バレーの4競技です。各競技のプレイヤーで、アシックスのユーザー・非ユーザーというのはもちろん、中学生から社会人まで、全国大会レベルの実力者から地区大会レベルの愛好者まで48名を対象に行いました。

―調査実施のきっかけは何だったのでしょうか?

岩田様 当社一番の基幹事業であるランニングについては、かなりの調査実績があるのですが、それ以外の競技でこうした調査は行ったことがありませんでした。改めて、カスタマージャーニーをしっかり理解し、競技ごとのカテゴリー戦略を立てることを目的に、全社的にプロジェクトが立ち上がったんです。

山岡様 部署の垣根を超えて横断的に組織を編成し、カスタマージャーニーを理解する専門の担当者も決めるなど、かなり気合が入っていましたね。

―インタビュー調査の中で、印象に残っていることを教えてください。

山岡様 たくさんあるのですが、一つはバスケをやっている大学生の「アシックスに助けられました」という言葉ですね。高校までアシックスが自分にとっての大切なギアだったと。私もサッカーをやっていてアシックス製のスパイクを使っていたので、自分を投影したのもありますが、アシックスがユーザーの身近に確かに存在している、やってきたことは無駄ではなかったと感じることができました。

―それは、モチベーションが上がりますね。

山岡様 ただ、いい話ばかりではありません。有名選手との契約のことを尋ねたときに、何人かから「まったく知りませんでした」と言われてしまって。世の中のいろいろなタッチポイントに情報を出してきたつもりでしたが、届いていなかった。これまでのやり方では駄目だと見直すきっかけになりました。生の声はやはり財産になりますね。

岩田様 リアルな声を聞けたのは大きかったですね。アシックスのイメージを競合他社ユーザーの子に聞いたとき、返ってきたのが「いい印象も悪い印象もない。あんま眼中にない」という一言でした。これは、ショックでした。
それまで、「競合他社にプリファレンス(好意度)が5ポイント負けている」と言われても、乾いたマーケティングデータに正直、あまり危機感を感じていなかった。でも、それをコンシューマーが言葉にすると、「眼中にない」となる。いい気づきになりましたし、闘志もかき立てられました。

調査によって明確になった自分たちのすべきこと

―調査結果はどのように活用されたのですか?

岩田様 結果をいただいた2か月後に2021年秋冬の展示会に向けたプロジェクトが始まりましたので、さっそくその戦略に反映させましたし、2022年春夏の商品企画にも活かしています。結果、展示会ではお得意様からは、「アシックスにはこういうことやって欲しかった」と言っていただけました。調査結果で得られたインサイトやカスタマージャーニーから、自分たちがすべきこと/やらなくていいことが明確になったのが大きかったのだと思います。

山岡様 マーケティングの立場では、調査によって客観的な視点が得られ、露出設計が的確になりました。私は年間カレンダーを自作しているのですが、その作り方も変わった。これまでは、四半期ごとに区切り、リリースする商品の下に施策を並べていただけでしたが、もう一段、世の中のモメンタムを追加するようになりました。
感覚的に頼るのではなく、カスタマージャーニーの流れから意図をもってしかるべきタイミングで情報を出していく。「早く手に入れたい」といった、お客様の欲望を刺激する設計ができ、ボトムアップにつながるビジネスができるようになりました。とくにサッカーのカテゴリーでは実を結び始めています。

「できる」と言ってくれたのがネオマーケティングだけだった

―インタビュー調査は複数社が見積もりを出し、2回のプレゼンを経て、ネオマーケティングに決まったそうですが、その理由を教えてください。

岩田様 僕たちの望んだ調査ができるのがネオマーケティングさんだけだった、というのが正直なところです。先に言ったように、4競技において年齢や実力などかなり細かなセグメントを希望したので、他社さんは早々に「できません」「無理です」と。ネオマーケティングさんだけが「できる」と言ってくださり、実際、こちらの希望に100%答えてくれた。おそらく集めるのに相当、苦労されたと思いますけど。

山岡様 社外の方と一緒に取り組みをさせていただくとき、先頭に立ってくださるネオマーケティングの担当者さんが僕らにとっての主人公です。その主人公の方から、アシックスに対する愛をビシビシ感じられた。僕は調査プロジェクトには途中から加わったのですが、そこはすごく伝わりました。調査をしたその先を見通してくださっているのがわかりましたし、調査が始まってからも丁寧にフォローしてくれました。

―では今後、ネオマーケティングに期待したいことがあれば、お聞かせください。

山岡様 僕は逆算して考えることを意識していて、今、思っているのは、パーチェスファネルをメーカーではなく、消費者の立場から見られないか、ということです。具体的には、大規模スポーツ専門店におけるカスタマージャーニーを探れないかな?と。どこのタッチポイントで情報を手に入れ、お店を訪れたときどう商品を見て選び、購入に至るのか。それを把握できればプロダクトの軸とは違う購買行動の軸を把握できる。そんなことをご相談できればと思っています。

岩田様 次のステップとして、商品企画のプロセスにリサーチを組み込むと、よりベネフィットが明確な商品をお客さんに届けていけると思っています。そんなネクストステップをネオさんと一緒に踏んでいきたいと思っています。

山岡様 調査をきっかけに、アシックスジャパンの中で「カスタマージャーニー」という言葉が当たり前のように使われるようになりました。マーケティングのメンバーだけがプランしているわけではなく、プロダクトからマーケティング、営業まですべて購買行動を意識していますから、今後もお力を貸していただければと思っています。

プレイヤーの情熱に応える商品・サービスを

―最後に、岩田様、山岡様の今後の展望をお聞かせください。

岩田様 プレイヤーの「うまくなりたい!」という情熱に応えるような商品・サービスを提供する。できなかったことが、できるようになる体験を与えられるようなブランドである。このミッションをコアパフォーマンスというカテゴリーの中でより精度高く、具現化していくことですね。

山岡様 僕はものすごくシンプルで、アシックスのロゴに付加価値をつけていく。それだけです。アシックスの「スパイラル」を見た瞬間、多くの人が記憶をよみがえらせ、思いをめぐらすようなロゴになること。その視点から逆算して考え、取り組んでいきたいと思っています。

ネオマーケティング担当者から

ユーザー目線でのコミュニケーション戦略・販売戦略立案をお手伝いさせていただきます

岩田様、山岡様をはじめ案件に関わられた各カテゴリのご担当の皆様のおかげで成し遂げられたプロジェクトでした。
インタビューの見学者として参加する社員の皆様の熱量から、ユーザーに良い商品を届けたい思いをひしひしと感じ、私自身も成長させていただきました。
アシックス様の商品を使っているお客様の行動・気持ち起点で、より良い商品企画やコミュニケーション戦略を立てていただけるよう今後もご提案させていただきたいと思っております。

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