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- 日本カルミック株式会社 事業推進本部企画マーケティング部 小倉里枝様、坂本由美子様
「意識調査」と「認知調査」を定期的に実施
日本カルミック株式会社 事業推進本部企画マーケティング部 小倉里枝様、坂本由美子様
設立:1969年6月6日
事業内容:オフィスビルや商業施設、医療施設、公共施設などのトイレの衛生環境づくり。リノベーション&メンテナンス事業、厨房マネージメントサービス
従業員数:547名
「意識調査」と「認知調査」を定期的に実施
オフィスビルや商業施設、公共施設などにトイレの衛生製品をレンタル、メンテナンスサービスによって快適な環境を提供している日本カルミック様。
ネオマーケティングでは、2022年から新商品開発のための調査などをサポートさせていただいています。とくに「衛生意識調査」と「認知調査」は2年続けて実施。推移を定点観察したいと今後も調査を予定されています。
今回は、事業推進本部企画マーケティング部の小倉里枝様と坂本由美子様に、マーケティング調査の意義や活用方法について伺いました。
衛生環境マネジメント企業
――まず、日本カルミック様の事業内容から教えていただけますか?
小倉様 一般のみなさんも、商業施設やオフィスビルなどのトイレで弊社サービスに触れていただいているのではないかと思います。
サニタイザー(業務用便器洗浄器)やシートクリーナー、サニタリーボックスなど、トイレに設置する衛生製品を企業さんにレンタルし、基本的には2か月に1回、弊社社員によって定期メンテナンスを行っています。
「衛生環境マネジメント企業」と表現させていただいているのですが、製品が常にベストな状態で作動し、衛生的に使っていただけるようサービスを提供しています。
――「calmic」の社名と凧をデザインしたロゴは、ほとんどの方が目にしていると思います。
小倉様 そういっていただけるお客様は多く、ありがたいです。ただ、衛生製品のレンタル事業だけでなく、トイレや厨房などのリノベーションや設備の維持・メンテナンスを行うエンジニアリング事業も展開しています。
――小倉様、坂本様はどのような業務をご担当され、どのようなミッションを担っていらっしゃるのでしょうか?
小倉様 私たちは「事業推進本部企画マーケティング部」に所属しています。5年ほど前に新設された比較的新しい部署で、今まさに、社内における自分たちの役割を明確にしている最中といったところです。
具体的な業務内容でいうと、私がおもに担当しているのは新製品や新サービスの企画および、ローンチまでの準備です。
坂本様 私も小倉とほぼ同じなのですが、私の場合、新製品というよりも、新しいビジネスの可能性があるサービスを模索し、日本カルミックとして何ができるのかを検討しております。
ネオマーケティングさんにご依頼した「衛生意識調査」も、そうした新規ビジネスのためのものでもあります。
小倉様 また現在、弊社ではブランディングにも力を入れています。会社の価値を対外的にどう示していくのか? どうやって会社の知名度を上げていくのか?
全社的なプロジェクトを立ち上げ、まさに進めているところです。
――部署が設立して5年、期待されているのでしょうね。
小倉様 日本カルミックの創業は1969年で半世紀以上の歴史があり、古い会社ゆえ、これまで外部環境を考慮したり、マーケティング的な考え方をしたりする文化があまり根付いてこなかったようです。
ただ、この先「100年企業」となっていくためには、市場ニーズや自分たちの“立ち位置”、強みはもちろん、足りないものを正しく知っていく必要があります。今まさに、そういうときなのだと思います。
「自分たち」のことを客観的に知るための調査
――ネオマーケティングへ依頼した「衛生意識調査」と「認知調査」について伺います。調査を実施した背景や課題感を教えてください。
小倉様 これまでトータルで2回実施していて、第1回を2022年9月、第2回を2023年11月に実施しています。調査したきっかけは、ブランディングに着手しようというタイミングで、「そもそも自分たちって、知られているのか?」ということが、リアルに見えていなことに気づいたからです。
営業のメンバーに聞くと、「お客さんたちはみな、『日本カルミック』を知っている」「ロゴの認知度は高いはず」と言います。でも、漠然とした感覚にすぎず、自分たちの中に「日本カルミックは何をしている会社なのか」、説明できるストーリーが定まっていませんでした。
ブランディングをはじめるのであれば、「そんな気がする」では駄目で、きちんと自分たちを第三者視点で見る必要がある。そんな課題感から調査を実施しました。
――まずは、現在地の確認をしようと。
小倉様 そうですね。まずは「日本カルミック」がどのくらい知られているのかを正しく知ること。そして、私たちがサービスを展開している衛生というフィールドについて把握することも必要だろうと考えました。市場を正確に判断するために、一般の人たちが衛生に対してどの程度、興味・関心を持っているのかの調査も実施したんです。
――どのくらいの規模で調査を行ったのですか?
坂本様 弊社の商品は年齢や性別を問わず、多くの方に使っていただく場所に設置しておりますので、調査は20代~70代の男女1000人と幅広く対象にしました。設問は確か、15問程度だったかと思います。
――結果はいかがでしたか?
坂本様 「今回のリサーチで、残念ながら社名がほぼ知られていない」ということが、しっかりわかりました。
小倉様 認知度については競合他社6社と比較して聞いたのですが、社名については6社中6位。「ぜんぜん知られてないじゃん!」と。 ロゴも6社中4位で、社員が思っているほどには認知されていないことが明らかになりました。
ただ、社名よりロゴが知られている会社は、6社中弊社だけ。だとしたら、そのロゴの認知度を利用しない手はない、という気づきをいただくこともできました。
――そして、約1年後の2023年9月に第2回の調査を実施されたのですね。
小倉様 じつは、第1回の調査を受けてブランド施策を展開する予定だったのですが、諸般の事情で具体的に着手することができませんでした。本来であれば、1年後の第2回調査は施策の効果測定のはずだったのですが、残念ながら間に合わなくて。
ただ、今後も推移を把握してきたいですし、何も施策は出せていないけれど実施しようということで2回目の調査を行ったんです。
――2回目の調査結果はいかがでしたか?
坂本様 結果として、認知度は第1回とほとんど変わりませんでした。当然と言えば当然なのですが、「本当に何か施策を講じなくてはいけない」ということがはっきりしました。
弊社のビジネスは「BtoB」で、私たちはお客様である企業様にアプローチをします。でも、弊社の商品を利用するのは一般の消費者の方。お客様のその先の利用者様に弊社のことを届けるのは簡単ではないのだと改めて感じました。
小倉様 調査はやはり、裏づけになるんですよね。何もしなければ認知度だって上がりません。「何かしなくてはいけない」というのが明らかになったのも、調査の成果だと感じています。
調査結果は上申資料やブランディングに活用
――調査結果はどのような形で活用されているのですか?
小倉様 たとえば、新サービスや新製品の検討で経営陣に話をするときに、調査結果のデータが裏付け理由になります。上申資料を論理的に展開でき、説得材料になるんですよね。
また弊社では、新製品が出るときには営業社員向けにウェブ勉強会を実施していて、そのときの社内資料にも調査結果を活用しています。データがあると、「こういうストーリーがあるから、こういう選択になり、この新製品ができた」とはっきりと示すことができるんです。さらに、営業社員はそのストーリーをお客様へのアプローチに使ってくれています。
あとは、調査データを記事にして、自社のホームページのコンテンツにもさせてもらいました。
――「衛生意識調査」での発見はありましたか?
小倉様 2022年に調査を行ったときは新型コロナの5類移行前で、「まだまだみんな、衛生に関する意識が高い」という印象でした。2023年に入って環境はずいぶん変わったので、ひょっとしたら意識が下がっているのではないかと想像していたんです。でも、蓋を開けたら、前回とほとんど変わっていませんでした。
衛生に対する意識って、おそらく1回上がったらなかなか下がらないのだと思います。むしろ、この先もより衛生的できれいな環境が求められていくのではないでしょうか。
――定点調査を行うことで得られる知見もありますね。調査結果は今後、ブランディング施策にも活用されていかれるのですか?
坂本様 はい。 まさに今、全社的なプロジェクトとして取り組んでいるところです。月に1回、社内のメンバーが横断的に集まってディスカッションしている最中です。
小倉様 経営陣による大きな方向性を示しつつ、みんなを巻き込み、現場の意見をしっかり吸い上げながらステップバイステップで進めています。まずは1年以内にブランドコピーを固めることが目標です。
時間はかかるかもしれませんが、焦らずていねいに進めていきたいと思っています。
坂本様 インナーがまとまってこそのブランディングだと思うので。ネオマーケティングさんでとっていただいた調査結果も、その議論では活用させてもらっています。
提案が具体的だったネオマーケティング
――ネオマーケティングについてお伺いいたします。ネオマーケティングに調査を依頼したきっかけは何だったのでしょうか?
小倉様 ネオマーケティングさんとのおつきあいが始まったのは、2022年5月。開発中の芳香製品に関する香りの調査でした。どんな香りが好まれるのかといったことを、開発チームと話している段階で、ウェブアンケートをとってみようという話になったんです。
そこで、こちらから3社ぐらいお問い合わせをして、それぞれウェブ会議でお話させてもらって、見積りを出してもらったんです。
各社さんにご相談したタイミングでは、香りのサンプルがあったわけでもなくて。「どういう香りを作っていけばいいのか聞いてみたよね」みたいな、とてもふわっとした相談だったんです。
しかも、ウェブアンケートを実施するのが初めてで、何をすればいいのかもよくわかっていませんでした。大規模な調査をしても活用しきれないという不安はありつつも、社内検討とか営業資料にしっかりと使えるちゃんとしたデータを取りたいという希望もあって。
そんな状態で依頼したのですが、ネオマーケティングのセールス担当の方は、「こういう感じでやってみるのはどうですか?」「そういう状況だったらこういうこともできますよ」と、具体的にイメージしやすいご提案をしてくださいました。
坂本様 こちらの話を受け止めて、そのうえできちんと提案してくださったので、だったら、お任せしちゃおうみたいな感じでしたね(笑)。
小倉様 3社に相談していたのですが、私たちと当時の部長、満場一致で「ネオマーケティングさんにお願いしたいね」という結果でした。
的確なアドバイスと素早いレスポンス
――ネオマーケティングの印象はいかがですか?
小倉様 先ほどお話ししたように、曖昧なご相談をさせてもらっても、きちんと道を作ってくださる。安心してなんでも相談できる関係性を築いていただいています。
坂本様 私たちのふわっとした話からいろいろ組みとってくださって、調査対象から質問項目など、「こうしたらいいんじゃないか」と的確なアドバイスをくださるのが印象的ですね。
小倉様 お話していると、セールス担当の方の中では、打ち合わせをしている段階で全体の構造がある程度、組み立てられているのだと感じます。どういうふうな調査にしたいか、何に使いたいか、私たちが思考を整理する道筋を付けていただいている感じです。
坂本様 質問や提案から、私たちに気づきを与えてくれる。 そのおかげで、アンケート調査がしっかりとした形になっているのだと思います。常に寄り添って伴走していただけるイメージです。
小倉様 あと、ネオマーケティングさんの社内連携にも感心します。実際にアンケートを依頼して、具体的な調査項目を作る段階になるとやりとりをするのは専門部署の方に移るのですが、きちんと連携がとれているなと感じます。
調査を依頼した最初の段階からクローズするまで、安心してすべてお任せできるのでありがたいです。すぐにレスポンスもくださるし、なんならこっちがちょっと焦るぐらい(笑)。
――では、ネオマーケティングへの要望、期待することをお聞かせください。
小倉様 マーケティング機能の強化は、我々の会社全体の課題でもあります。私たちはまだ、アンケートやグループインタビューなどの調査しかお願いしていませんが、 ネオマーケティングさんはさまざまなサービスを展開されています。今後は調査だけじゃなくって、もっと幅広くご相談していけるといいなと思っています。
坂本様 特になんの依頼をしていないときも、ウェブ会議を定期的に設けてくださり、ヒアリングや情報提供をしてくれました。ほんとにいつも助けてもらっているので、これ以上の要望なんて、思い浮かばないです(笑)。
小倉様 強いていうのであれば……ネオマーケティングさんはおそらく、こちらからの依頼に対して、最初の打ち合わせ時に申し上げた見積り額を考慮してご提案してくださっていると思うんです。
それはとてもありがたいのですが、予算は「あくまでも」と思っていただければと。「プラス料金がかかるけど、こういうこともできます」みたいな、さらにその先のご提案も聞きたいです。
――予算に縛られず、提案を広げてくれていい、と。
小倉様 私たち自身、何をどこまでやるべきか、何ができるのかがわからない状態です。予算に縛られず、日本カルミックにとって最善のご提案をいただけるとうれしいです。まだまだ、私たちの見ていない世界があるはず!と思うので。ぜひ、ネオマーケティングさんに教えていただきたいと思っています。
製品とロゴ、社名をリンクさせていきたい
――最後にお二方の今後の展望をお聞かせください。
坂本様 BtoBのビジネスではあるにしても、「日本カルミック」という社名はまだまだ一般の方に知られていません。ただ、せっかくいろいろな施設のトイレに入れていただいていて、「ロゴは見たことある」「製品、見たらわかりました」と言ってもらえることもあって。製品とロゴ、社名のすべてがつながるようにしていきたいです。
小倉様 まずは社名を聞けば、「トイレのあれね!」と言ってもらえるところまでもっていきたいですね。やっぱり会社の認知度が上がると、社員のモチベーションも上がると思うんです。
ブランディングに関するディスカッションの中で、お子さんがいる社員から「子どもに『パパはどんなお仕事をしているの?』と聞かれたとき、なんて言っていいかわからない」という声が上がったのです。「日本カルミックなんだよ」と言ったときに、「パパ、すごい仕事しているね!」と言ってもらったらすごくいいなって。
坂本様 「カルミックってなに?」っていったときに、一言で「これ!」っていうものを打ち出せるといいですよね。
小倉様 意外に思われるかもしれませんが、日本カルミックって簡単に説明できないんです。「サニタリーボックス置いている会社でしょ」と思われるかもしれませんが、 私たちとしては、ただ単に製品を扱っている会社という認識ではありません。
製品をレンタルして、社員が定期的にお客様のところに出向いてメンテナンスをし、トイレ環境を確認して、修繕するべきポイントはないか、においが発生していないかをチェックして、 必要であれば改修工事も行う。そこまでやっている会社なんですね。
表面的に見えているところよりも幅広いサービスを展開していて、社員の中には「衛生に寄与している会社」だという意識がすごく強いんですね。そこまで考えるので、「カルミックってなんだ?」と考えてしまう。
坂本様 「衛生環境マネジメント企業」とは言っておりますが、やはりどこか伝わりにくいですよね。ご利用いただいているお客様から「カルミックさんに任せておけば大丈夫」と思ってもらえ、その先の利用者様からは「カルミックがついているトイレはきれいで安心だよね」と認知してもらえると、すべてが底上げできるのではないかと考えています。
小倉様 トイレをはじめとした、快適で衛生的な空間づくりをトータルで担っている会社がカルミック、そう思っていただけるような知名度をつけていきたいですね。
この先100年企業となっていくための基盤を整備・強化するのが私たち企画マーケティング部のミッション。そのために頑張っていきたいと思っています。
ネオマーケティング担当者から
複数回にわたり、弊社のサービスを利用いただき大変うれしく思っております。
日本カルミック様にはブランド調査をはじめ、商品企画に伴う調査もご依頼いただいており、幅広くご支援させていただいております。
私たちが高水準の衛生環境で生活できるのも、日本カルミック様のたゆまぬ努力だと、伴走している中で強く感じております。
貴社の提供価値をより強く発信・浸透できるよう、これからもお力添えができればと存じます。
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