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フォーカスグループインタビュー(FGI)とは?メリット・デメリットと事例紹介

2020年03月03日

マーケティングリサーチには、行動観察調査や顧客満足度調査、NPS調査など様々な手法があります。定性的な調査として行われる代表的な手段のひとつが、フォーカスグループインタビュー(FGI:Focus Group Interview)です。この記事ではフォーカスグループインタビューの特徴や具体例、メリット・デメリット、実施時の留意点についてわかりやすくお伝えします。

フォーカスグループインタビュー(FGI)とは

はじめに、フォーカスグループインタビューの特徴についてご説明します。フォーカスグループインタビューとは、6名程度の調査対象者(顧客)を1箇所に集め、座談会形式で特定のテーマについて話し合う調査手法をいいます。モデレーターが参加者にインタビューを行いながら、商品・サービスに対する感想やその理由などについて直接顧客に尋ね、顧客の生の声を聞き取っていきます。

フォーカスグループインタビューでは商品・サービスの評価を顧客に確認できる他、購買行動に至るまでの背景を探るなかで、潜在的なニーズの把握にも活用できます。また対面で行う形式のため、想定するターゲット層の嗜好性やライフスタイルを具体的に知り、ペルソナ理解に役立てることができます。

続いて、フォーカスグループインタビューを実施する場合に必要となる準備についてお伝えします。

■役割分担
フォーカスグループインタビューの役割分担の一例をお示しします。モデレーターが時間をみながらその場を取り仕切り、予め用意しておいた質問を参加者へ直接投げかけながら、意見を引き出す形式で進めていきます。

フォーカスグループインタビューの役割分担の表

■会場
会社内で実施するのであれば、静かできれいな会議室・応接室を用意しておきましょう。また、映像や音声を録音・記録するための設備も必要です。

■実施時間
フォーカスグループインタビューにかける時間は、人数にもよりますが一般的には2時間程度です。実施日については調査対象者の属性にもよりますが、働いている方を対象とするのであれば土日や平日の夜が集まりやすいでしょう。

■テーマ
フォーカスグループインタビューに向くテーマとしては、商品・サービスを利用されてみての評価を聞いたり、新しい商品・サービスをその場で試していただいて使用感を聞いたり、大人数でざっくばらんに話しやすく、参加者同士で共感が生まれやすい案件が望ましいといえます。

フォーカスグループインタビューとは


フォーカスグループインタビューのメリット

次に、フォーカスグループインタビューを実施するメリットを簡単にご紹介します。

フォーカスグループインタビューを実施するメリット表

フォーカスグループインタビューでは、直接顧客から商品の評価を聞くことで改善のヒントを見つけることができます。しかも複数名からまとまった意見を聴取できるため、デプスインタビューに比較して短期間・低コストでの実施が可能です。企業にとって効率の良い有益な情報収集手段となるでしょう。

フォーカスグループインタビューのデメリット

一方で、実施するデメリットについても触れておきたいと思います。

フォーカスグループインタビューを実施するデメリット表

事前スクリーニングを行っても対象者を的確に選定することは難しく、実際に参加した顧客が意図していたような方と違った、ということも起こり得ます。また限定的な人数を調査の対象としており、統計的な信頼性は担保されません。参加者が他者の意見に遠慮することもあるため、定量的な調査と合わせて実施することが望ましいでしょう。また、当日キャンセルが発生した場合にも臨機応変な対応が必要となります。

メリット・デメリットに関する詳細は以下の記事もご参照ください。

参考 『グループインタビュー(GI)とは?』はこちら

フォーカスグループインタビューが使われる事例

フォーカスグループインタビューでは、対象者を属性別にグループ分けしてインタビューをすることで、それぞれの意見や評価の違いを比較することができます。よく利用される事例をピックアップしました。


■商品・サービスの利用状況別の評価
フォーカスグループインタビューは、ある商品・サービスについて、利用頻度に応じて状況を把握したい場合に効果を発揮します。ヘビーユーザーやリピーターになってくれる顧客の特性は何か、あるいはお試しで利用するもののリピートに繋がらない顧客の離脱原因は何かなど、違いを把握し解決策を練るのに役立てられます。

■年齢・性別の評価
商品・サービスの利用状況は、年齢・性別によって変化することが多いものです。20代女性、30代男性というような分け方、あるいはF1層(20〜34歳女性)、F2層(35〜49歳女性)といった分け方で顧客を集め、それぞれの意見を集約させることで、違いが可視化されまることがあります。実際はより年齢・性別の属性情報と商品・サービスの利用状況を掛け合わせて条件を設定し、評価させることが一般的です。

■ライフステージ別の評価
同じ年齢・性別でも、独身者なのか既婚者なのか、また既婚者でも子どもがいるのかいないのかによって、商品・サービスの使われ方が大きく変わることがあります。毎日の食事や洗濯など日常生活に高頻度で利用される商品・サービスについては、ライフステージ別で変化を見ることが望ましい場合があります。


■商品・サービス利用者別の評価

競合商品Aを好んで利用する顧客のグループ、競合商品Bを好んで利用する顧客のグループなどに分けて意見を伺うことで、自社商品の課題や優位性、販路拡大の可能性などを多角的に把握することができます。

フォーカスグループインタビューの事例

フォーカスグループインタビューの費用について

では、フォーカスグループインタビューを実施するとき、どの程度の費用が掛かるのでしょうか。

例えば、20名のフォーカスグループインタビューの場合、1グループ5名で4グループ、各1時間のインタビューとすると、約350万円の費用感です。

内訳を見ていくと、フォーカスグループインタビューの費用は、
①対象者抽出のためのスクリーニング調査の費用
②対象者をインタビューに参加させるリクルーティングの費用
③当日のインタビューにかかる費用
の大きく3項目あります。


①対象者抽出のためのスクリーニング調査の費用
インタビューの対象は誰でもいい、というわけではないと思います。性別や年齢といったプロフィール情報、そしてモノの考え方や嗜好などその人固有の情報、商品やサービスの利用経験といった自社商品や競合商品に関わる情報など、インタビューをしたいという人はその調査の目的に応じて具体的であることがほとんどです。

我々のような「モニター(その集合であるパネル)」という会員組織を抱えている場合、その数多くの会員から今回のインタビュー対象条件に合致する人のみを選定してお呼びする必要があります。性別や年齢といった簡単な情報は会員情報として保有していますが、趣味嗜好や、具体的な商品・サービスの利用状況までは把握していません。
そのため、調査毎にスクリーニング調査と呼ばれるアンケート調査を行い、そのアンケート調査で条件に合致するとわかった人のみに、インタビューの案内をすることになります。
インタビュー対象の条件が厳しいほど、このスクリーニング調査は大規模にやらざるを得なくなり、その分、費用が掛かってくる、ということです。

②対象者をインタビューに参加させるリクルーティングの費用
スクリーニング調査で対象条件に当てはまった人を抽出できたわけですが、まだ終わりではありません。スクリーニング調査で対象条件に合致した人はリスト化され、本当に条件に合致した人か、本当に参加してもらえるか、電話で確かめます。電話での最終確認ののち、インタビューの日時を決め、最終的な参加者とグループインタビューのグループ構成が固まります。この調整にかかる工数は主にインタビューの人数に比例して、費用として掛かってくることになります。

③当日のインタビューにかかる費用
当日のインタビューにかかる費用は、モデレーター(インタビューを回す人)、書記の手配、インタビュー参加者への謝礼、会場費用、そしてインタビュー後の納品物に関する費用です。
これらはお客様ごとに必要不必要も変わりますし、インタビューの時間、インタビューの人数によって変わってきます。

今はオンラインでグループインタビューを希望されるお客様もいらっしゃいますが、その場合は費用内訳は変わってきます。

フォーカスグループインタビューのスケジュール感について

フォーカスグループインタビューのスケジュール感についてですが、調査企画から報告書の納品まで、目安としては1か月強、要します。

・リクルーティング調査票確定に1週間
・リクルーティングに1週間~2週間
・実査 1G6名程度(90分)であれば2G程度まで1日で実施、3Gだったら2日程度必要
・報告書などの作成に2週間


報告書の作成が不要であれば、発注からご納品まで3週間~1カ月程度とお考えください。

フォーカスグループインタビューを行う際の注意点

最後に、フォーカスグループインタビューを実施する際に押さえておきたいポイントをご紹介します。

フォーカスグループインタビューでは、共感を生む環境作りが大切であり、グループ分けには配慮が必要となります。一定の共通点のある方々が集まることでグループダイナミクスと呼ばれる相乗効果が生まれ、発言が共感に繋がったり、アイディアが広がったり、議論が深まったりするのです。

たとえばテーマが料理の話題であれば、既婚者と未婚者では共感できるポイントが少なく、本音を話しにくい可能性があります。男性と女性でも大きく意識が異なるでしょう。いかに本音を話してもらいやすい環境を提供できるかどうかで、引き出せる情報の質も変わってきます。

既婚者で子どものいるヘビーユーザーのAさん:
「この商品はとても便利です!子どもの食事の支度が楽で何度も使っています!」
Aさんの表情

試したが今は利用していない独身のBさん:
(「私は子どももいないし、別の会社の商品のほうが使いやすいけどな…」)
Bさんの表情

■気軽に話しやすいテーマを設ける
フォーカスグループインタビューに向かない案件もあり、たとえば年収や家庭内の事情、病気など身体に関することは答えにくいテーマの例として挙げられます。このように複数名では話しにくいことを調査したい場合や、個人の意識を深く掘り下げて検証したい場合には、1対1のデプスインタビューの実施を検討しましょう。

参考 『デプスインタビューとは?』はコチラ

■対象者選定を大切にする
フォーカスグループインタビューをはじめとするインタビュー調査は、「誰に聞くか」ということが非常に重要です。そのため、インタビュー対象者の条件設定と、その条件に当てはまる人をいかにインタビューに呼ぶか、ということが問われます。対象者の条件設定についても、課題によってコツがあります。

参考『インタビュー調査成功のコツとは?』はコチラ

まとめ

ここまでご紹介してきた通り、フォーカスグループインタビューは商品・サービスに対する顧客からの評価を効率的に収集するために有益な調査手段となります。調査を成功させるためには、グループ分けやモデレーターの在り方などにコツが必要です。

リサーチのプロであるネオマーケティングでは、グループインタビューの実績も豊富にあり、安心してお任せいただけます。調査の進行に不安のある方はご相談ください。

参考 『リサーチ・市場調査なら株式会社ネオマーケティング』

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