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グラフィックレコーディングとは?インタビュー調査における活用方法をご紹介

2020年12月02日

近年、グラフィックレコーディング(通称:グラレコ)というサービスが少しずつ広がりを見せています。セミナーやインタビューの様子を、グラフィック(イラスト)で表現したもので、情報をわかりやすく視覚化できるということで活用の幅を広げています。
このグラフィックレコーディングはマーケティングリサーチにおいて、特にインタビュー調査での活用に大きなメリットがあります。
今回は、グラフィックレコーディングとは何か、そしてグラフィックレコーディングではどのようなことができるのかをご紹介し、インタビュー調査での活用やメリットについてご説明します。

◇グラフィックレコーディングとは

グラフィックレコーディングとは、議論、セミナー、インタビューなどの内容を、 グラフィックや文字を用いて、リアルタイムで記録し、全体の内容を保存する手法です。
画像①画像②

皆さんも会議などで、発言録・議事録を文章でまとめた経験があるかもしれません。グラフィックレコーディングは、文章の代わりに主に「グラフィック」で情報を記録します。最終的に1枚の紙にまとめることもありますが、どこか重要な情報だけをまとめてグラフィックにするということではなく、動画のように“全ての情報”を記録することが大きな特徴です。

◇グラフィックレコーディングのメリットとは

グラフィックレコーディングのメリット、なぜ行うかは大きく2つあります。

●今何が起こっているのか、その場にいる人の認識を統一しやすい

グラフィックレコーディングの大きな特徴は、情報を視覚化できるということです。視覚化されたグラフィックのイメージは強力です。同じ情報を違う意味でとらえにくく、誰もが同じイメージを頭に思い浮かべることができます。
それによって、関係者間の内容に対する理解を統一し、結果議論の前提となる情報理解にずれが生じにくくなります。

耳から聞いた「言葉」や、書き記された「言葉」の捉え方は、人によって異なります。同じ場所にいて同じ内容を聞いていたとしても、ある人は「A」というイメージを受け取って、ある人は「B」というイメージを受け取っている、ということは日常茶飯事ではないでしょうか。


●その時何があったのかを、その場にいなかった人にもわかりやすく伝えることができる

例えば、あるセミナーの内容を参加していない人に伝えるとき、全ての情報を口頭で伝えきることは難しいでしょう。文章であっても全ての情報を共有することは難しく、参加者の主観で選んだトピックスを紹介するのが限界ではないでしょうか。
動画の場合は、全て観るのに時間がかかるというデメリットがあります。

グラフィックレコーディングであれば、その場にいなかった人に全ての情報を視覚化して伝えることで、直感的に理解してもらうことができます。また、情報を誤った認識で受け取る、ということも防ぐことができます。

◇グラフィックレコーダーに求められるスキル

グラフィックレコーディングでその場でやり取りされている内容をグラフィックにおこす人を「グラフィックレコーダー」と言います。グラフィックレコーダーには、グラフィックを描けること以外にも、以下のようなスキルが求められます。

●情報を理解する力
まず、その場の情報を正確に理解し、咀嚼する能力が必要です。グラフィックレコーディングはビジネスシーンで取り入れられることも多く、専門的な内容をレコーディングすることも少なくありません。テーマに対してある程度の知識がなくては内容を理解することも、グラフィックを描くこともできません。

●情報を再構築する力
情報をグラフィックとして表現するため、情報をわかりやすく再構築する能力です。難しい内容をわかりやすくグラフィックで表現するためには、情報を整理し、再構築してまとめることが欠かせません。

◇グラフィックレコーディングをインタビュー調査に活用する

グラフィックレコーディングを行わないインタビュー調査では、インタビュー中の全ての発言を記した発言録と、そのインタビューで得られた情報をまとめた報告書の2つのアウトプットが後日作成されます。

グラフィックレコーディングは、この情報を記録する発言録と、インタビュー調査内容をまとめた報告書の両方の役割を果たすのです。
グラフィックはその場で完成するので、タイムラグが発生しない点でもメリットがあります。

◇インタビュー調査におけるグラフィックレコーディングのメリット

グラフィックレコーディングの一般的なメリットは前述した通りですが、インタビュー調査においては、感情や心理を深堀りするためにも有効です。

●インタビュー対象者の発言を、正確に受け取ることができる

インタビュー調査では、対象者の話した内容を意図した通りに受け取ることは大前提です。間違った捉え方をしてしまっては、そこから導き出す仮説も間違ったものになってしまいます。
グラフィックで表した時、インタビュー対象者の意図と異なる捉え方をされてしまった場合、その誤りをその場で対象者に指摘してもらうことができます。

●インタビュー対象者自身が整理できる
グラフィックレコーディングをインタビュー調査で活用する最も大きなメリットは、インタビュー対象者自身が、自分の発言と実際の心理や感覚とのずれに気が付くことができる、ということです。

どういうことか、オンラインと実店舗での購買行動についてのインタビュー調査を例にご紹介します。

新型コロナウイルスによる自粛期間中に、オンラインショッピングを利用する方が増えたのは記憶に新しいかと思います。
インタビュー調査の中で、洋服の購入について緊急事態宣言明けのオンラインと実店舗での割合を聞いたところ、対象者は

「オンラインと実店舗の割合は、6:4くらいだと思います。」

と答えました。通常のインタビューであれば、その言葉のまま受け取るところですが、グラフィックレコーディングでこの割合を円グラフに描いたところ、対象者は

「やっぱりそんなに実店舗の割合は多くないかもしれません。8:2くらいです。」

とグラフィックを見て、自身の話した内容を修正しました。これにより、この方にとってオンラインショッピングの利用が決して一時的なものではなく、むしろ実店舗でのショッピングの価値さえも変えてしまった、というその後の深堀りにつながったのです。

このように、グラフィックを見ながら話すメリットは、インタビュアーと対象者間の認識統一ができるだけではありません。自分が話したことが視覚化されることで、対象者自身も自分が発した言葉が意図したことではなかったり、実際と異なっていたりすることに気が付くことができます。

●インタビュー対象者がリラックスして話せる
インタビュー調査ではより多くの本音の情報を対象者に話してもらうため、最初のアイスブレイクで心理的な距離を縮めることが重要です。ただ、アイスブレイクを入念に行ったとしても、初対面のインタビュアーの前でどうしても緊張を感じてしまう方もいます。

実際にデプスインタビューでグラフィックレコーディングを行った際のエピソードですが、
グラフィックを見ながら話すパートになると、その方の声色がリラックスしたやわらかい感じに変わり、より饒舌に話してくれるようになりました。

インタビュアー後、その方にその時のことを伝えると、

「インタビュアーの顔を見続ける必要がなかったため、より気楽に話すことができた」と話していました。

グラフィックレコーディングを活用することで、インタビュアーの顔から視線を外せるため、緊張を感じやすい方であってもリラックスしやすくなる効果があるようです。


●納品物となり、事後のデブリーフィングで活用可能

通常、インタビュー調査の後は、関係者間でインタビュー内容を振り返るデブリーフィングを行い、インタビューで得た情報を確認し合い、結果何が言えそうか、次のアクションはどうするかなどを話し合います。

グラフィック上で同じものを確認しながら感想を共有できるグラフィックレコーディングは、インタビューを振り返る際のアウトプットとしても活用できます。

◇インタビュー調査でのグラフィックレコーディングで気を付ける点

インタビュアーとグラフィックレコーダーは、打ち合わせを入念に行う必要があります。
質問の流れ、何をどこまで深堀って聞くか、調査で明らかにしたいことを共有しておくのです。

インタビュアーがもう少し話を広げるだろうと思って、グラフィックレコーダーがその分のスぺ―スを用意していても、インタビュアーが次の質問に進んでしまうことがあります。
後でグラフィックの位置などは修正できるとしても、その瞬間はスぺ―スが空いてしまい、ややまとまりのないグラフィックになってしまいます。

スキルのあるグラフィックレコーダーであれば、自身がインタビュアーとして2役こなし、グラフィックとインタビュー内容を調整しながら進める、ということもできるでしょう。

◇グラフィックレコーディングの費用感など、依頼に際して

グラフィックレコーディングだけを依頼したい場合、直接グラフィックレコーダーに問い合わせることもできます。まだまだ対応できる人の数が少ないスキルではありますが、近年そのスキルを身に着けようと、様々な方が活動しています。

インタビュー調査にグラフィックレコーディングを取り入れる場合、インタビュー調査を依頼するところに一緒に手配してもらうのが良いでしょう。当社ではインタビュアーも担えるグラフィックレコーダーを抱えています。

費用感は、グラフィックレコーダーの拘束時間と後日グラフィックの編集をどの程度依頼するかに影響されます。ただ、発言録と報告書の両方が不要になることを考えると、費用は、通常のインタビュー調査と同程度、もしくは少し抑えられるでしょう。

◇終わりに

グラフィックで情報を記録していくグラフィックレコーディングは、全ての情報を可視化することによって、多くのメリットをもたらします。
グラフィックレコーディングは誰にでもできるものではありませんが、その活用の幅は広がり、インタビュー調査などでも活用されるようになりました。今後も更にその対応領域は広がっていくことでしょう。

グラフィックレコーディングにご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。

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