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<基礎>デザイン思考とは?ユーザーへの「共感」からはじまる商品開発のプロセス

2021年06月04日

「デザイン思考」という言葉を耳にしたことのある人は多いかと思います。
ネオマーケティングでも、10年ほど前からデザイン思考の要素を取り入れた提案をしており、ここ1〜2年は興味をもつ企業が増えてきました。
しかし、デザイン思考に対し独自の解釈を加え広がっている欧米に比べ、日本ではまだまだ「聞いたことはあるけれど、よくわからない」という域を脱していません。
今回は、デザイン思考とは何なのかを改めておさらいしつつ、いまなぜデザイン思考が必要なのかを解説していきます。

デザイン思考とは何か?

デザイン思考とは、その言葉のとおり「デザイナーのように考える」ということです。
対象がモノであれシステムであれ、デザイナーは使う人をイメージしてデザインをしていきます。つまり、人間を中心に考えるのがデザイン思考です。
その起源は正確にはわかっていませんが、アメリカの認知心理学者のハーバート・サイモンが、1969年に『システムの科学』(ダイヤモンド社)を出版し、そこで工学デザイン論などの考え方などがデザイン思考のベースとなっていることがいわれていたりします。

「デザイン思考」という言葉を世界的に広げたのが、アメリカのシリコンバレーにあるデザインコンサルティングファーム「IDEO(アイディオ)」です。
IDEOは、ケリー兄弟(トム・ケリー・デビット・ケリー)とビル・モグリッジが中心となり創業され、Appleのマウスの開発などを手掛けています。
また、米国で放送されたショッピングカートの開発をしているIDEOの映像はリアリティある貴重なものではないかと思います。
IDEOのカート開発映像はこちら⇒https://www.youtube.com/watch?v=rpsIzypVgl8

IDEOが広めたデザイン思考ですが、決して同社の専売特許というわけではありません。「frog design」や「Ziba」といったデザインコンサルティングファームは世界には数多く存在します。また、デザイン思考を学ぶ大学もスダンフォード大学d.school、イリノイ工科大学(IIT ID)、ヨーロッパではデンマークにあるカオスパイロット(Kaospilot)などが比較的有名ですが、それ以外にも数多く存在します。また、デザイン思考の認知度が高まっていくにつれ、海外のデザインスクールに留学する日本人も増えているようです。

日本でも、デザイン思考を学べる大学が増えてきています。東京大学の「 i.school」なども考え方としてデザイン思考を取り入れているようです。

世界的にはこれだけデザイン思考を取り入れた活動が進んでいるのに、どうして、日本のビジネス界でそれほど根付いていないのでしょうか?ひとつには、デザイン思考自体が正直、わかりにくいという点にあります。そもそもがデザイナーの思考法であり、確立されたメソッドやプログラムではないので、体系だけを理解しても具体的に説明することが難しいからです。
社会人向けの専門的なスクールもありますし、受講して「なるほど」と思っても、いざ自分の仕事に応用できるかというと、できていないケースが多いようです。

一般に、ビジネスの現場では論理的思考が求められます。それに対してデザイン思考は矛盾を肯定した人の行動や意識に注目をします。次項でくわしく解説しますが、人に対して「わかる」という共感度合いで物事を進めていくのがデザイン思考であり、論理ではないため、ビジネス的なプロセスの進め方と必ずしも相性が良いわけではないのです。

デザイン思考のプロセスとマインドセット

革新的な商品を開発する際のアプローチとして、デザイン思考は非常に有益です。デザイン思考について、もう少し具体的に話を進めていきましょう。

我々はデザイン思考において、次の4つのマインドセット(思考様式)を大切にします。

デザイン思考4つのマインドセット
1.ひとりの人の問題として考える(人間中心設計)
 ユーザーに共感し、ユーザーを中心に考える
2.多様性を活かす
 多様であることが思考の幅を広げ、発想が豊かになる
3.自分に自信をもつ
 否定による創造性を失わない。革新はそこに存在する
4.早く失敗しても学ぶ姿勢(実験的)
 新しい商品・サービスほど計画どおりにはいかない

もう少し具体的に述べたいと思います。
メーカーのものづくりは、顧客視点といいつつも、作り手の理論や計画が優先される「プロダクトアウト」の開発が今でも多く存在しています。デザイン思考は人間中心設計を考えており、そのプロセスのスタートも、市場を俯瞰しセグメンテーションやポジショニングといった視点ではなく、人を観察し、その人に対する「共感」にフォーカスします。

マインドセットの2つ目「多様性を活かす」は「共創」ということです。たった一人で考えるよりは、多様な視点があったほうが、たくさんのアイデアが出るものです。ワークショップのような形式で、対話をしながら観察して得られた共感の理由をみんなで探っていきます。

マインドセットの3つ目が「自分に自信をもつ」ということです。
IDEOの創業者のデビット・ケリーとトム・ケリーは『Creative Confidence』という本の中で、人間は誰しもクリエイティビティをもっていると指摘しています。自分には想像力がないと思っている人でも、頭の中でいろいろ思い描いているし、それを形にすれば、より良いものが社会に出てくる、そう語っているのです。
日本社会は謙虚さを美徳としますから、デザイン思考がうまく馴染まない理由がここにもあるのかもしれませんが、決して日本人にクリエイティビティがないわけではありません。自分に自信をもつというのは、日本人がもっと取り入れるべきマインドでしょう。

4つ目が「早く失敗しても学ぶ姿勢」です。デザイン思考のプロセスの「プロトタイプ」「テスト」に関わるマインドセットです。日本のこれまでの商品開発では、じっくり社内で作って検討して、問題点をすべてクリアしてから販売に至るという流れでした。
しかしデザイン思考は、答えをもっているのはユーザーなのだから、実際にテストしてもらいフィードバックをもらって、どんどんブラッシュアップをしていくほうが効率的だとしています。
インターネット業界、ウェブ業界ではベータ版をリリースするというのが当たり前になっていますが、とりあえず試してみるというのが、デザイン思考の考えです。しかも、より早く。スピード感もデザイン思考では重要視します。

デザイン思考はもちろん万能ではありません。技術主導のものづくりと違って、一人の人間の問題解決からはじまりますから、どれくらい売上を上げられるのか?という規模感の予想を立てることは難しいでしょう。たとえば、テレビCMを打ったからこれだけの売上を見込む、というものには向きません。
しかし、マス広告が年々縮小しSNSによる周囲の信頼者の推奨などから火がつく現在のヒット法則には、一人の人を起点にするという考え方は理にかなっており、今後、高まっていくはずです。

日本的デザイン思考とは?

成熟した社会で人は何を求めているのか?欲求に応えるものは何なのか?企業はその明確な答えを出せないでいます。価値あるものを世の中に出していくのが事業会社の存在意義です。しかし、どの業界でもどこかやり尽くした感を抱いていて、もうこれまでの考え方、やり方では通用しないという問題意識を抱いています。
こうした社会背景があって、「よくわからないけど、いままでとは違う新しい考え方で取り組んでみるか」というちょっとした期待感からデザイン思考への注目が高まりました。
あまり浸透してきていないというのはお話した通りですが、企業が抱いている閉塞感を打破するきっかけとなることは間違いありません。

デザイン思考も各国によってその理解の仕方が異なります。人間観察からはじまるのがアメリカ型とすれば、ヨーロッパはどちらかというとアート寄りで自己表現、内発的なものから新しいものを生み出そうとする傾向が強いように思います。
では日本の場合はどうか?今は明確な回答まで辿りついていませんが、自然を意識した規則性が感じられない庭園やアニメクオリティの高さは世界的にも有名です。
日本独自の創造力には可能性を感じており、抽象化と具体化をくり返すことが得意な国民性なのでは、と考えても不思議ではありません。
デザイン思考もやがて日本ならではの個性が宿り、世界に羽ばたく製品やサービスの開発に貢献していくアプローチ法になるのではないかと考えます。

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