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【事例付き】ヒット商品開発に必須なコンセプト調査と商品コンセプト

2020年09月10日

消費者ニーズの多様化に伴い、商品のライフサイクルの短期化が著しく進行しています。そのため、企業がヒット商品を生み出すことは、ますます困難になっていると言えるでしょう。良いものを作れば売れる時代は終わり、企業は消費者が求める商品を作る必要があります。
消費者が何を求めているのかを明らかにするためは、コンセプト調査が不可欠です。
今回はヒット商品の事例をあげながら、商品コンセプトを考えるうえでのポイント、新商品開発に欠かせないコンセプト調査をご紹介します。

消費者のニーズをとらえたコンセプトで開発したヒット商品「本麒麟」の事例

昨今のアルコール市場はさながらマーケティング戦国時代のようです。真に新しいアルコール飲料の開発が難しい一方で、他商品との差別化を行い、消費者を引き付ける新商品が次々と発売されています。若者のアルコール離れ、といわれるような時代背景の中でも、近年で目覚ましいヒット商品となったのが、第3のビール「本麒麟」ではないでしょうか。
この本麒麟が生まれた背景には、第3のビールに生活者が求める価値を的確にとらえた商品コンセプトと、それを確かに再現する商品クオリティの両立があったようです。

消費者が求めている価値とは何か、その理解を深めるためにインタビュー調査を繰り返し実施し、そこで得たアイデアの種・仮説があっているのか、需要があるのかを定量調査で確認していくというマーケティングリサーチの王道ともいえる方法をとっています。

定性定量

結果、生活者が求めているのは「ビールらしさ」であり、それをできる限り再現するというコンセプト。
商品コンセプト立案段階から、試作品の味、パッケージ、コミュニケーションに至るまで徹底的に調査を行ったというマーケティング施策の裏にあるのは、徹底的に消費者の本音となる思いを把握しようという生活者起点のマーケティングでしょう。

至ったコンセプト自体に真新しさは感じないかもしれませんが、消費者のニーズを捉え、本気でそのニーズに応えようとした思いがヒット商品につながったのではないでしょうか。

【参考】
「キリンビール/3カ月で1億本突破「本麒麟」ヒットの秘密(商品開発編)」(閲覧日:2020/09/08)
「キリン本麒麟を生んだマーケター「売れる商品に社内の反対はつきもの」」(閲覧日:2020/09/08)

行動観察による徹底的な消費者把握で開発した「dyson」の事例

掃除機
今やその商品コンセプトとともに、誰もが知る企業となった「Dyson ダイソン」。ダイソンが、代表商品であるサイクロン掃除機を開発するきっかけとなったのは、年月が経つにつれて吸引力が弱まってしまう掃除機に対する生活者の不満を知ったからだったといいます。その不満を解決するため、5年という年月を研究開発に費やした結果、世界初のサイクロン掃除機「dyson」を開発します。
その5年の間に開発された試作品の数は5127。徹底的に製品テストを繰り返しました。
ダイソンの圧倒的に強いキャッチコピーは、吸引力が変わらないという、消費者のニーズに応え、商品のベネフィットをはっきりと伝えています。圧倒的なブランディングにつながっている要因の一つでしょう。

【参考】
【保存版】ダイソンを徹底分析 元祖サイクロン掃除機の誕生秘話から今にいたるまで(閲覧日:2020/09/08)
ダイソコーポレートサイト(閲覧日:2020/09/08)

ヒット商品開発の事例から学ぶ、商品開発のポイントとは?

この本麒麟とダイソンの2つの事例に共通して言えることは、以下の3点ではないでしょうか。

●消費者の気持ちにこたえるための商品であること
●消費者の思いを捉えたコンセプトを商品に持たせたこと
●その商品コンセプトを体現する質の高い製品を開発したこと


本麒麟は第3のビールに生活者が本当に求める価値を徹底的なインタビュー調査により浮彫にし、dysonは実際の生活者の不満を解消したいとう思いで開発をはじめてします。どちらも商品開発の発端となるのは、消費の思いです。そしてその消費者の思いに応える商品コンセプトのもと、商品の魅力・ベネフィットを伝えるコミュニケーション方法を研ぎ澄ましています。
また、商品コンセプトを具現化する確かな開発力があるからこそ、消費者に商品コンセプト通りのベネフィットを感じさせることができています。

日本の多くの企業は確かな開発力を有しており、商品の質自体は問題ないことがほとんどではないでしょうか。
よって、商品開発の肝となるのは、「いかに生活者の気持ちを理解するか」、「生活者の思いに応え、生活者にとって魅力的な商品コンセプトを開発することができるか」ということす。

消費者心理・顧客心理の理解の重要性とその方法とは?

消費者の気持ちを理解し、ニーズを把握する方法については、主に2つあります。
一つは本麒麟の事例でも出てきた、インタビュー調査です。インタビュー調査には、一度に複数名にインタビューを行う「グループインタビュー」と、インタビュー対象者とインタビュアー(モデレーター)との1対1の「デプスインタビュー」があります。

インタビュー調査について詳しくはコチラ

もう一つは「行動観察調査」と呼ばれるものです。通常のインタビュー調査とは異なり、対象者のご自宅で例えば掃除機などをかけてもらう様子も観察対象とします。今使っている掃除機の不満など、新しいアイデアの種になるような情報は、行動観察調査を実施することで発見できる可能性があります。

行動観察調査について詳しくはコチラ

商品コンセプト開発の方法とは?

商品のコンセプトはどのように開発していくのでしょうか。
まずコンセプト開発の前に、コンセプトの種となるアイデアを出すことになります。アイデアは企業内部から発生するもの、マーケティングリサーチを通して消費者得られるものの2つがあるかと思います。企業内部から発生するものとは、その企業が抱える技術力であったり、PTS分析やSWOT分析から生まれるなど、様々です。マーケティングリサーチを通して消費者から得られるものは、消費者が抱える課題や本質的欲求、アンケート分析による定量情報・定性情報です。それらがアイデアの種となります。

様々なアイデアが出た後、行うのは多くのアイデアから絞るということです。自社の技術力、資金的リソース、ビジネスとしての可能性、法関係、スケジュール、それらを加味するだけでもかなり少数に絞られてきます。
そのうえで、最終的には消費者のニーズを充たしたものであるか、課題を解決するものであるかで絞り込んでいくことになります。

ここまで来てようやく、織り込んだアイデアを商品コンセプトに落とし込んでいくことになります。商品コンセプトはその商品がない中でも、商品特徴と価値を想像させるものでなければなりません。

コンセプト調査とは?

新商品を開発する時、見込みターゲットを設定しているはずですから、コンセプトがターゲットの消費者ニーズにかなうものなのか、自分向けの商品だと思ってもらえるか、興味関心度はどうか、などを調査します。

コンセプト調査を軽視することは、市場で求められていない商品を莫大な費用をかけて開発することにつながります。市場ニーズがない商品を発表しても売れ行きは伸びません。そのような事態を未然に防ぐためにもコンセプト調査を行います。

コンセプト調査の注意点

コンセプト調査を行う時には、機密保持の観点が必要です。上市していない商品のコンセプトなので、企業としてはTOPシークレット、外部にできるだけ出したくない企業秘密です。クローズの場で調査できること、調査対象者の質が担保されていることが前提です。

コンセプト調査の調査方法にも留意してください。企業が考えるコンセプトをより分かりやすく消費者に伝えるために、試作品のサンプルを用意したり、画像や動画を利用したりすることも効果的です。
コンセプト調査の方法を工夫することにより、自社の考えた商品コンセプトにターゲット層がどの程度魅力を感じるか、商品化時の購入の可能性、競合商品と比較した感想など、さまざまな有益な情報を引き出すことができます。

企業内で商品コンセプトが固まっていないときは、プロトタイプのコンセプトを基に市場の反応を探り、コンセプトをブラッシュアップする方法も有効です。消費者から集めた生の声を分析してどのような要望があるか探り、コンセプトを設定します。

おわりに

今回はヒット商品を例にあげ、新商品開発に欠かせないコンセプト調査と商品コンセプト開発をご紹介しました。
新商品には「新さ」が求められる場合もあるかと思いますが、これまでになかった商品、他社と差別化できる商品の開発にばかりだと、消費者に価値を与えない差別化競争に陥ってしまいます。
商品を作る側が考える「良いコンセプト」と消費者が「求めるコンセプト」は異なるケースがあります。コンセプト調査は作り手と消費者の認識のギャップを埋め、消費者のニーズをくみ取った商品開発を実現します。生活者起点の商品開発、という軸を持つことが企業にとって必要なのではないでしょうか。

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